重点課題(マテリアリティ)


マテリアリティの見直し・特定

マツダは、有識者をはじめとするさまざまなステークホルダーの意見およびマネジメントや関連部門の考えを踏まえ、マツダグループが対応すべき社会課題を抽出し、2016年7月、重点課題(マテリアリティ)を特定、開示しました。その後、世界的にESG(環境・社会・ガバナンス)に対する関心が高まり、ステークホルダーからの期待がより具体的になったことやマツダグループを取り巻く社会環境が変化してきたことから、2017年度よりマテリアリティの見直しをはじめました。2021年には、マツダグループが事業活動を通じて解決すべき社会課題を特定し、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)の目標およびターゲットとの関連性を明確化し、開示しました。2022年11月に公開された中期経営計画アップデートおよび2030経営方針を踏まえ、再度マテリアリティの見直しを実施しました。

このたび、マテリアリティ8つの項目の「2050年カーボンニュートラルへの挑戦」における2030年度の国内自社工場・事業所の目標をアップデートしました。

マテリアリティの見直し・特定プロセス

マテリアリティの見直しにあたり、二つの視点を考慮しました。一つは、国連が定めるSDGsや、グローバルなESG評価機関の調査項目などを参考としたステークホルダーの視点、そしてもう一つは、2030経営方針の実現に向けた事業取り組みなどのマツダグループにとっての重要性の視点です。

STEP1 社会課題の抽出

ステークホルダー視点からの課題抽出にあたっては、グローバルなESG評価機関の調査項目から投資家の期待や、グローバル社会からの期待を分析し、整理しました。マツダグループにとっての重要性の視点は、2030経営方針サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030有価証券報告書などに記載しているマツダグループ特有の課題を整理し、抽出しました。

STEP2 課題の影響度の評価と優先順位付け

STEP1で抽出した課題に対し、ステークホルダーにおける影響度※1と、マツダグループにおける影響度※2の2軸で評価し、優先的に取り組むべき項目を特定しました。また、SDGsの169のターゲットと照合することで長期的視点で取り組むべき事項を明確化しました。

STEP3 妥当性の確認

STEP2で特定した項目の優先度に関し妥当性を確認するため、マネジメントと協議し、合意を得ました。

STEP4 マテリアリティの開示

STEP1~STEP3で特定したマテリアリティの項目に対し、着実な実行とフォローアップを行うための具体的な取り組み計画を策定中です。今回特定したマテリアリティと今後策定する取り組み計画をステークホルダーへ開示するとともに、定期的に評価し、見直すことで、計画・実行・評価・改善というPDCAプロセスを構築していきます。

※1 マツダグループや自動車業界に求めている項目

※2 マツダグループにおけるリスクと機会

マテリアリティの8つの項目および関連取り組み
マテリアリティの8つの項目社会課題
(関連キーワード)
マツダの取り組み/目標/実績SDGs
目標
「地球」  2050年カーボン
ニュートラルへの挑戦
気候変動問題
(カーボンニュートラル)
【取り組み】
  • Well-to-Wheel、ライフサイクルアセスメント(LCA)視点での、クルマのライフサイクル全体のCO₂排出量削減
  • ビルディングブロック構想による技術資産の積み上げと、それを活用した高効率なものづくり
  • 2035年グローバル自社工場でのカーボンニュートラル(CN)実現に向けて、
    「省エネルギーの取り組み」「再生可能エネルギーの導入」「CN燃料の導入等」で取り組みを推進
    気候変動
【目標】
  • 2050年にサプライチェーン全体でのCN実現
  • 2035年グローバル自社工場でのCN実現
  • 2030年度に国内自社工場・事業所*1におけるCO₂排出量の削減目標を再評価し2013年度比で日本の目標と同等の46%以上
【2024年度実績】
  • 温室効果ガス排出量
    (Scope1,2,3合計*2):
    62,976 千t-CO₂e
  • 温室効果ガス排出量
    (Scope1,2合計*2):
    648千t-CO₂e
    (2013年度比24%削減)
資源循環資源需要、廃棄物量の増加
水資源問題
(サーキュラー・エコノミー)
【取り組み】
  • 新車のリサイクル性の向上
  • 工場での3R(リデュース、リユース、リサイクル)およびグローバルでのゼロエミッションと資源再生化の拡大
    資源循環
【目標】
  • 資源循環(資材):2030年にグローバルで生産・物流工程についてゼロエミッションを達成
  • 資源循環(水):2030年に水資源の再生・循環の取り組みを国内モデルプラント*3で実現
【2024年度実績】
  • 資源循環(資材)
    物流CO₂排出量*4:59.6千t-CO₂e
  • 資源循環(水)
    取水量*5:5.869千㎥(2013年度比37%削減)
「人」心と身体の活性化精神的・社会的な健康への価値観の変化【取り組み】
  • ひと中心の価値観の下、人々の日常に運転すること、移動することの感動体験を創造
    お客さまの心と身体の活性化
  • 魂動デザインのさらなる深化
  • 「走る歓び」の進化・深化
人的資本の強化労働人口の減少
市場のグローバル化、顧客ニーズの多様化
(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)
【取り組み】
  • お客さま視点で行動できる組織風土の醸成
  • 多様性尊重と多様な人材の活躍推進
    人的資本
【目標】
  • 女性管理職数*4:2024年度80名、2025年度100名、2026年度110名
  • 男性育児休職(産後パパ育休含む)取得率*4:2024年度60%、2025年度70%、2026年度75%
【2024年度実績】
  • 女性管理職数*4:87名(幹部級以上)
  • 男性育児休職(産後パパ育休含む)取得率*4:60%
「社会」  安全・安心な
クルマ社会の実現
交通死亡事故【取り組み】 【目標】
  • 2040年を目処に自動車技術で対策が可能なものについては、自社の新車が原因となる死亡事故ゼロを目指す
心豊かに生活できる
仕組みの創造
人口減少、少子高齢化、都市部への人口集中
都市部での渋滞や混雑、地方での交通空白地帯の拡大(MaaS)
【取り組み】
  • 安全・安心で自由に移動することが可能な、心豊かな暮らしにつながる社会貢献モデルの構築
  • モビリティ関連技術を活用した乗り合いサービスの実証実験
    心豊かに生活できる仕組みの創造
「地球」  
「人」  
「社会」  
共通  
品質向上品質問題【取り組み】
  • 企画から製造まで一気通貫した品質のつくり込み
  • 市場問題の早期把握・早期解決
  • お客さまに寄り添うカスタマーサービスの実現
    品質
「人と共に創る」
仲間づくり
100年に一度の大変革期
(CASE)
【取り組み】

※1 本社・本社工場(広島県安芸郡および広島市)、防府工場(山口県防府市)、三次事業所(広島県三次市)を含む全17拠点

※2 Scope1およびScope2はマツダ(株)ならびに国内の連結子会社20社/持分法適用会社10社および海外の連結子会社24社/持分法適用会社4社。Scope3はカテゴリーで対象の連結子会社や持分法適用会社を設定

※3 新しい試みなどを先行して実施する施設

※4 マツダ単体

※5 マツダ(株)および国内の連結子会社20社/持分法適用会社10社