「日本が年々暑くなっているのを実感しています。地球温暖化対策のためのCO₂削減が叫ばれていて、日々自分も生活で意識しているけれど、減っている実感がない」「エネルギーは毎日使うものだから、それをクリーンなエネルギーに変えるべき。微細藻類でそれが実現できたらすごいと思いますが、いつ実用化できるのか気になります」と話す入江さん。自動車メーカーでありながらクリーンな燃料について長年研究を続けてきたマツダと、広島大学の共同研究による微細藻類を使ったバイオ燃料実用化の取り組みを見て何を思うのでしょうか?
2024.10.31
未来を憂う高校生たちがマツダに問う 本当に環境に良いクルマって?
きっかけは、マツダに届いた一本のメール。
そこに書かれていたのは、「マツダのサステナブルな取り組みに触れたことをきっかけに、クリーンエネルギーのつくり方に興味を持った」こと、そして「次世代を担うものとして活動していきたい」という未来への想いでした。
送り主は、広島県の高校に通う学生たち。2024年2月に開催されたサステナブル・ブランド国際会議(東京)を訪れた際にマツダの環境に対する取り組みを知り、興味を持ったといいます。
そこでマツダは、メールの送り主を含む4人の高校生にマツダの環境にまつわる取り組みを知ってもらうツアーを計画。2日にわたりマツダの本社工場(広島)やパートナー企業などサステナブルな取り組みを進めている現場を見学してもらいました。
4人の高校生たちは、地球環境やテクノロジーの台頭により人の仕事がなくなることなど、それぞれ未来への不安を抱いている様子。はたしてマツダは高校生たちの「未来への問い」に対し、応えることができるのでしょうか?
脱炭素社会を本気で目指すマツダの体当たりの回答と、高校生たちの見学後の率直な感想を、全4回の記事と動画を通じてお届けします。
左から今回見学に参加した入江琉奈(いりえ・るな)さん、高橋遙華(たかはし・はるか)さん、橋本湊(はしもと・みなと)さん、田辺理世(たなべ・りよ)さん
ミクロな藻からクリーンな燃料、本当に実現できる?〜カーボンニュートラル燃料×微細藻類編〜
将来バイオエネルギーを学びたいと考える入江さん。マツダにメールを送ったのも、微細藻類(※1)を用いた燃料づくりに興味を持ったからだそう。
※1 藻類のうち淡水・海水・堆積物などの水分中にみられる植物プランクトン。大きさは1ミリメートルから1マイクロメートルほど
AIではつくれないデザインって?〜ICONIC SP×廃牡蠣編〜
将来建築士を目指している田辺さんは、AIの進化により、誰でもデザインができる世界になるのではないかと将来を憂います。一方で、「だからこそ、マツダのような人にしかつくれないデザインに興味があります」と「人だからこそできること」を知りたい様子。そして、「最近は持続可能な建築やデザインについても知りたい」と環境への想いも。
マツダが2023年に発表したコンパクトスポーツカーコンセプト「MAZDA ICONIC SP」には、広島の特産である牡蠣の廃殻を混錬した樹脂が、ボディの一部に組み込まれています。その取り組みの現場から、人だからこそできる持続可能なデザインの答えを探っていきます。
クルマづくりと地球環境を守ることは両立できるの?〜マツダ社内探検&工場見学編〜
「クルマが走行中だけでなく、生産する際にもエネルギーを使いCO₂を出していて。将来運転を楽しめる時代じゃなくなるかもしれない」「世界的に電気自動車にシフトしていく流れがあるなかで、マツダはそこにはあまり力を入れていない印象があって。ただ、電気自動車もバッテリーをつくる過程でCO₂を出してしまうと聞いて、何が正解なのかわかりません」。それぞれの胸の内を語るのは、高橋さんと橋本さん。
そこで彼女たちが巡るのは、マツダのミュージアムから、自社工場の敷地内にある発電所(エネルギーセンター)、塗装工場、組立・完成検査工場。一台のクルマがつくられるプロセスから、マツダが長年取り組んできた省エネ活動の「小さな積み重ね」とその考えについて学びます。
未来への不安は解消された?〜高校生4名座談会編〜
2日間にわたり、マツダのさまざまな取り組みを知った高校生たち。今回の見学を経て、マツダに対する印象はどのように変化したのでしょうか? また、その経験は4人の心に何を残したのでしょうか。見学を終えた高校生が語る、率直な思いとは。