1. 「お客さまに選ばれるために何が必要か」を軸に、全社横断の戦略へ転換
2. 社内ステークホルダーを広く巻き込み、2035年に向けた長期戦略の議論を推進
3. 共通の事実やデータを基盤に、迅速な意思決定と経営PDCAを促進
CVCOメッセージ
メッセージのポイント
変化の時代において経営戦略をどのように考えていますか?
自動車産業の構造やビジネスモデルが変化し、競争環境が激化する中で、スモールプレーヤーであるマツダが持続的に成長するためには、「お客さまに選ばれ続けるブランド」であり続けることが重要です。その実現に向けて、私たちは経営戦略のあり方そのものを見直しています。
これまで商品・技術・人事・生産など各領域で、それぞれの戦略を持ち、個別に最適化を進める傾向がありました。しかし、「ブランド価値経営」を実現するためには、すべての領域が「お客さまに選ばれるか」という共通の視点でつながっていることが不可欠です。
そこで2025年から経営戦略の枠組みを見直し、領域別に独立していた戦略を連動させ、一体で議論し実行する仕組みへ転換しました。現在は、2035年のありたい姿に向けた長期戦略について、商品・技術・市場・人材などの戦略を一体で捉えながら、全社横断で議論を進めています。
マツダのビジネスは、クルマやブランド体験をお客さまにお届けし、その価値を感じていただくことで初めて売上が立ちます。世の中がどう変わろうと、この本質は変わりません。さらにお客さまにとって、クルマの購入はあくまでスタートであり、その後の保有体験を含めて価値を提供し続けていくことが重要です。だからこそ、各部門が連携し、一体となってお客さま価値を創出する必要があります。
例えば、従来はプロダクトアウトの発想が強く、商品・技術戦略を起点に事業計画を推進してきました。現在は市場戦略との接続を強化し、お客さまや市場の声をしっかりと吸い上げた上で中長期の商品計画を検討しています。これは単なる商品企画プロセスの改善ではありません。商品を起点に市場を考えるのではなく、「お客さまに選ばれるために何が必要か」という視点から商品・技術・サービスを構想する経営への転換でもあります。
また、全社横断で戦略を議論し、全社最適で透明性の高い意思決定を行うため、商品開発、販売、サービスなど各領域の責任者に加え、各市場の責任者や社外取締役も早期検討段階から参加し、お客さまや市場の視点を踏まえながら全社としての優先順位や方向性を議論しています。戦略間の整合をあえて問い直し、矛盾やギャップを顕在化させながら、全社としての意思決定につなげています。このように、私たちは「お客さまに選ばれるか」を共通の判断軸として持ち、各戦略を連携させながら、全社一丸となって価値創出に取り組む経営へと変革を進めています。
全社横断の議論の様子
経営戦略をどのように実行していきますか?
ブランド価値経営を実現するためには、全社で共通の目標のもとで、同じ事実に基づいて議論し、迅速に意思決定できる経営基盤が不可欠です。そのため私たちは、全社のあらゆる領域で「より速く・よりシンプルに・より効率的に」を徹底しています。
これは単なるコスト削減や効率化の取り組みではなく、限られた経営資源を、お客さま価値の創出に集中させるための考え方です。AIやデータの活用により意思決定を迅速化し、開発リードタイムの短縮や在庫回転率の向上を進めることで原価低減および固定費削減を実現します。さらに、創出した経営資源を商品・サービス・お客さま体験の向上へ再投資することで、競争力の強化を図っていきます。その実現に向けて、私たちは大きく2つの取り組みを進めています。
取り組み① 外部環境変化への機動的な対応
不確実性の高い時代においては、市場や政策、規制環境などの変化をいち早く捉え、迅速に経営判断へ反映することが重要です。
渉外部門をはじめとした社内の専門組織による継続的な情報収集・分析を行い、その内容を経営判断へ迅速に反映する体制を整えています。また、グローバルで発生する規制や市場環境の変化も早期に可視化し、投資判断や事業運営の見直しにつなげてきました。例えば2025年の米国における輸入自動車への追加関税導入時には、需要動向や政策変化を踏まえて迅速に対応し、コスト改善につなげました。引き続き、足元の外部環境の変化を的確に捉えながら、機動的な経営判断を行っていきます。
取り組み② データに基づく経営管理の高度化
2026年にマテリアリティをアップデートし、ブランド価値経営を実現するための経営課題として整理し直しました。これにひもづく全社共通の指標を設定し、進捗管理を通じてPDCAを促進する仕組みの構築に取り組んでいます。
また、全社最適の意思決定を実現するため、AIを活用したグローバルデータの一元化と経営管理ダッシュボードの整備を進めています。従来は部門ごとに分断されていた情報を統合することで、実務担当から経営陣までが同じ事実に基づいて議論・意思決定できる環境を構築しています。これらの取り組みは、2025年9月に立ち上げた全社横断のAI活用専任組織である「MAX (Mazda AI Transformation)プロジェクト室」が主導しています。
例えば、グローバルの製造・販売状況をリアルタイムで把握することで、需要に応じた生産・販売の最適化や、キャッシュ・フローの最大化につなげようとしています。こうした基盤整備を通じて、お客さまや市場の変化をいち早く捉え、全社で共有しながら、ブランド価値向上につながる判断の質とスピードを高めています。
全社変革をどのようにリードしていきますか?
激しい環境変化の中にあっても、次の世代に残すべきマツダの姿を仲間と共に描き、その実現に向けた道筋をつくることが私の責務です。経営戦略の推進とは、ブランド価値経営を会社全体の活動として実践していくことそのものです。私たちは、商品、技術、市場、人事、生産など、それぞれの機能が個別に最適化を追求するのではなく、「お客さまに選ばれ続ける」という北極星のもとでつながり、同じ方向を向いて意思決定することが重要です。私は、その全社をつなぐ役割を担っていると考えています。異なる立場や専門性を持つ人たちが同じ目標に向かって議論し、経営判断につなげられる環境を整える経営戦略を推進します。
不確実性の高い時代だからこそ、変化に振り回されるのではなく、自ら変化を生み出す組織であり続けなければなりません。誰もが同じ情報に基づいて活発に議論し、迅速に判断し、行動できる環境整備をさらに進めていきます。
ブランド価値の向上は一朝一夕に実現するものではありません。だからこそ全社をつなぎ、組織としての意思決定力と実行力を高め続けることで、お客さまに選ばれ続ける価値を生み出し、マツダの持続的な成長を支えていきます。