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CSOメッセージ



マルチソリューション戦略とライトアセット・協業戦略を実行し、世界中のお客さまと地球を笑顔にしていきます

取締役経営役員CSO(最高戦略責任者)

小島 岳二




メッセージのポイント


1. マルチソリューション戦略で市場やお客さまのニーズに応えていく

 

2. ライトアセット・協業戦略で最小の投資で最大のマーケットカバレッジを図る

 

3. カーボンネガティブへの挑戦を通じて持続可能な未来の実現を目指す



マルチソリューション戦略とライトアセット・協業戦略の背景や目的、方針を教えてください。

「マルチソリューション戦略」と「ライトアセット・協業戦略」は、限られた資源を最大限活用しながら将来の選択肢を確保し、不確実性の高い事業環境下でもマツダが選ばれ続けるブランドとして持続的な成長を実現するための戦略です。

 

クルマの電動化は各国・各地域で進展しているものの進度は異なっており、またお客さまのニーズも多様になっています。マルチソリューション戦略は、130以上の国と地域でビジネスを展開する上で、マツダの強みの一つであるMBD*を核に、ビルディングブロック構想で積み上げた要素技術を組み合わせてICEやHEV、PHEV、BEVと、市場やお客さまに合った選択肢をお届けすることを可能にします。それぞれの市場特性やお客さまのニーズに柔軟に応えられる点でマルチソリューション戦略は有効であると考えています。

 

ライトアセット・協業戦略の狙いは、「走る歓び」をはじめとする私たちの強みやブランドの本質を支える領域に継続的かつ集中的に投資し、規模や標準化が鍵となる領域では積極的に協業することで資本効率を高めることです。2030年までの電動化の黎明期に、事業の実行可能性を評価しどこで勝つかを明確にした上で、投資の質を変え、投下資本の効率を高める構造へ転換していきます。その実現のため、従来の自前主義から脱し、パートナーの資産を掛け合わせながら、最小の投資で最大のマーケットカバレッジを実現していきます。クルマの知能化への対応においても、「ひと中心」の思想を一貫して大切にしながら、先進的な技術を持つパートナーの方々の技術力とマツダの統合力を組み合わせる協業を進めます。新型「MAZDA CX-5」に採用した「MAZDA E/E ARCHITECTURE+」は、SDVへの第一歩を踏み出した技術であり、トヨタ自動車株式会社さまをはじめとするパートナーの皆さまとの協業の成果です。私たちは、協業を通じて、志を共有するパートナーと共に価値を創造すると同時に、マツダならではの価値を磨き上げ続けます。独自性を高めることがパートナーから信頼され続けることにつながると考えています。

 

私はCSOとして、独自性と共創の両立を通じて、市場やお客さまに適したソリューションをお届けしていくとともに、新たな社会価値の創造に挑戦し、マツダの持続的な成長に貢献していきます。


* クルマ・制御・乗員・走行環境といった開発対象を「モデル化」してコンピューター上でシミュレーションを徹底的に行い効率的に開発する手法。



CSOとしてどのように企業価値の向上を図りますか?

巨額の投資が必要な電動化領域では、市場の動向を見極め、電動化に伴う投資のあり方を抜本的に見直し、ブランド価値の向上につながるところに投資配分を適切に図っていきます。2030年までの電動化投資の総額は、最大2兆円規模と見ていましたが、投資の選択と集中で、現在は1.2兆円へ最適化しました。

 

自社開発のBEVは、市場動向を踏まえて徹底的に精査し、電池や電駆、モーターなどスリム化を図るとともに適切なタイミングでの導入を検討しています。一方、重慶長安汽車股份有限公司さまとの共同開発の電動車については投資を拡大し、今後導入予定のモデルを含む4車種を、高い投資効率と収益性を確保しながら電動化の進展が速い市場へ投入します。2026年「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した「MAZDA EZ-6 / MAZDA6e」は、ライトアセット・協業戦略の成果の一つです。また、米国を中心にBEVの需要が減退する中で、計画を迅速かつ柔軟に見直すことで、HEVやラージ商品の強化への投資、電動化時代におけるICEへの投資の継続など、さらなるブランド価値の創出に向けた集中的な資源配分を行っています。これらを踏まえ、2030年時点での電動車販売は20~25万台程度とし、マツダのグローバル販売台数の約15%までをカバーできる体制を整えていきます。自社開発と協業を適切に組み合わせながら、限られた経営資源を最も価値創出につながる領域へ集中することで、市場やお客さまのニーズに応えていきます。


電動化投資の総額
電動化投資の総額

戦略の成果とその先に目指す未来を教えてください。

マツダが将来にわたって選ばれるブランドとして企業価値の向上を目指すためには、企業の社会的意義も必要な視点と考えています。「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」で「走る歓びは、地球を笑顔にする」をテーマに2035年の未来像を発信し、カーボンニュートラル燃料(CN燃料)やCO₂を回収する技術など「走れば走るほどCO₂を減らす未来」を示し、「走ることで地球を再生する」という新しい社会モデルを提案しました。このビジョンは、単なる技術の夢ではありません。「人のために技術はある」というマツダの原点を改めて形にしたものです。

 

この未来の実現に向け、カーボンニュートラルとその先のICEによるカーボンネガティブに挑戦しています。カーボンネガティブは、マルチソリューション戦略におけるマツダの独自性の一つとして、CN燃料で90%、さらにCO₂回収技術で20%、合計110%のCO₂削減を目標としています。CO₂回収技術はスーパー耐久シリーズで実証実験を重ね、2026年6月には同シリーズで走行中のCO₂貯蔵に成功しました。装置の実用化とカーボンネガティブ達成に向けて着実に前進しています。

 

この未来の実現には、CN燃料の普及とCO₂回収技術の社会実装が不可欠です。中でもCN燃料は、生産性向上と需要拡大の両立が大きな鍵となります。生産性向上について、国立大学法人広島大学さまと微細藻類由来のバイオディーゼル燃料で協業し、需要拡大に向けては、2026年5月に日本通運株式会社さまと完成車物流での実証走行を開始し、社会実装への第一歩を踏み出しました。カーボンネガティブは、マツダ単独では実現できません。さまざまなパートナーとの共創を通じて、2035年のビジョン実現に向けて進化を続けていきます。

 

私は、「ブランド価値経営」のもとで世界中のお客さまに「走る歓び」をお届けするとともに、新たな社会的価値を創造することを目指しています。今後も、マツダならではの独自価値を磨きながら、移動の価値をさらに進化させ、人と社会の未来に貢献していきたいと考えています。

開発中の車載CO2回収装置 「Mazda Mobile Carbon Capture(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)」
開発中の車載CO2回収装置 「Mazda Mobile Carbon Capture(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)」

開発中の車載CO2回収装置「Mazda Mobile Carbon Capture(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)」

2026年6月に開催されたスーパー耐久シリーズで実施した Mazda Mobile Carbon Captureの実証実験の様子
2026年6月に開催されたスーパー耐久シリーズで実施した Mazda Mobile Carbon Captureの実証実験の様子

2026年6月に開催されたスーパー耐久シリーズで実施したMazda Mobile Carbon Captureの実証実験の様子