走りながらCO₂を回収する

2025年以降、ST-Qクラス参戦車両に搭載予定

未来を創る技術を、レースという極限の舞台で検証するST-Qクラス。

MAZDA SPIRIT RACINGは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、排出ガスからCO₂を吸収・回収する技術の実証実験を計画しています。


実現したい未来

マツダは、すべての人にいきいきとする体験をお届けすることとともに、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて取り組んでいます。

その実現にあたっては、お客さまのニーズに加え、各国・地域のエネルギー事情やインフラ環境にも対応できるマルチソリューションのアプローチを採用し、本質的なCO₂削減に貢献したいと考えています。

 

私たちは、クルマや運転を通じてワクワクする体験を提供しながら、地球環境を元気にする未来を目指しています。

単にクルマの環境負荷をゼロに近づけるだけでなく、地球にとってプラスとなる存在にすることが重要だと考えています。

 

そのために、「大気中のCO₂を吸収する技術」を未来のクルマに取り入れようとしています。この技術により、走ることで空気をきれいにするような、環境に優しいクルマの実現を目指しています。


CO₂回収技術を選んだ理由

CO₂を回収する方法には、大きく2つのアプローチがあります。
ひとつは空気から直接CO₂を取り込む方法。もうひとつは、エンジン燃焼後の排出ガスからCO₂を回収する方法です。

 

マツダは、より効率的にCO₂を回収できる後者を選び、技術開発を進めています。

その理由は、排出ガスに含まれるCO₂濃度の高さにあります。排出ガスには空気の約350倍ものCO₂が含まれており、濃度が高いほど少ないエネルギーで、しかも省スペースで効率よく回収できるためです。

さらにこの技術は、CO₂を原料とするカーボンニュートラル燃料と組み合わせることで、大気由来のCO₂をより効率的に回収できることになります。

 

そしてマツダでは、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、LCA(ライフサイクルアセスメント)やWell-to-Wheel(燃料採取から使用までの排出量)といった評価手法を用いてCO₂排出量を正しく算出。その上で、明確なCO₂回収率の目標を設定しています。



スーパー耐久レースでの技術実証

排出ガス中のCO₂を分離・回収するには、専用の固体吸着剤をエンジンの排気経路に設置する必要があります。ただし、吸着剤が排気の流れを妨げるとエンジン効率が低下して燃費が悪化するため、どのような環境でも排気の流れを損なわない設計が重要です。

 

そこでマツダは、排気温度が厳しくなるスーパー耐久レースを実証の場とし、あらゆる状況下で効率的にCO₂を回収できる技術の検証を進めています。

 

この取り組みの一環として、2025年以降にMAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept(55号車)に本技術を導入予定です。レースで検証した技術を生かすことで、日常的な使用条件でもカーボンネガティブ(CO₂回収量が排出量を上回る状態)を達成できるCO₂回収率を実証する予定です。



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