「安全健康基本理念」に基づき、従業員の安全と健康のために「自律型のいきいき職場」※の実現を目指し、「人づくり」「職場づくり」「仕組みづくり」の3つの柱を軸に、グローバルで全員参加型の「ワンマツダいきいき職場づくり運動」を展開しています。「自律型のいきいき職場」の実現は、職場の活性化やパフォーマンスの向上に寄与し、さらには企業理念の実現にも貢献すると考えています。
労働安全衛生
基本的な考え方
※自律型のいきいき職場:部門特性を踏まえた重点的な問題解決活動が実践され、管理者のリードと一人ひとりの活動が一体化し、個人と組織が活性化している職場
安全健康基本理念
「安全と健康」これこそ働く私たちの原点です。これこそ最も価値のあるものです。「人」こそ宝!この宝を守るために私たちは不断の努力を続けます。
「ワンマツダいきいき職場づくり運動」
方針:自分発、部門発の安全健康活動をやり遂げ、自律型のいきいき職場を実現する。
スローガン:24時間、ワンマツダで安全健康、最優先!
活動の3本柱:
1) 感性の高い人づくり
2) 最適な仕組みづくり(標準化の推進)
3) 安全・安心な快適職場環境づくり
体制
経営層(安全担当役員・各本部長)と労働者代表(マツダ労働組合執行部)で構成する「総合安全衛生委員会」を設置し、安全健康に関する年度ごとの活動方針・重点施策などを労使で審議しています。その決定を踏まえ、各職場の業務における性質やリスクを考慮した活動を推進しています。2025年度から、より主体的で効率的・効果的な活動を目指して推進体制を見直しました。各本部で1名の幹部社員を「OHS(Occupational Health and Safety)推進リーダー」に任命し、毎月定例で「OHS推進会議」を開催し、全社方針を踏まえた労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS:Occupational Health and Safety Management System) に関する活動について審議・決議し、健康経営の視点も織り込んだ取り組みを推進しています。各本部・事業所単位でも、安全衛生委員会もしくは、安全衛生会議を開催し、OHS推進会議の決定事項・本部課題を踏まえた、職場の業務における性質やリスクを考慮した活動を推進しています。
体制図


取り組み
労働安全衛生マネジメントシステム
労働安全衛生マネジメントシステム(OHMSM)とは、従業員の安全と健康を確保し、安心して働ける職場環境を整備するとともに、業務の継続性や生産性の向上を図るために、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を通じて体系的に管理する仕組みです。マツダは、OHMSMの運用により、自主的かつ継続的な安全衛生管理を行い、労働災害の潜在的な危険を減らすとともに、安全衛生水準のさらなる向上、および国内業界トップレベルの安全成績を目指しています。また、重大災害につながりやすい作業や設備のリスクを評価し、未然防止を図る仕組みを構築し、OHMSMのパフォーマンスを向上させています。 2025年度からは新たに、ISO45001の考え方を織り込み、労働安全衛生に関わるPDCAサイクル・体制・プロセスを見直し、運用しています。
【2024年度実績と目標】
項目 | 実績 | 目標 | 製造業平均※ |
---|---|---|---|
死亡・重大災害件数 | 0 | 0 | - |
全災害度数率 | 0.44 | 0.3 | - |
休業災害度数率 | 0.11 | 0.05 | 1.30 |
リスクアセスメント
毎年、全部門で業務・作業に関わる災害・疾病・火災のリスクの見直しと新たなリスクの洗い出しを行い、評価や対策を実施し、職場の安全性向上に取り組むリスクアセスメント活動を行っています。また、新規に化学物質や機械設備を導入する際には、化学物質や機械設備に特化したリスクアセスメントを実施し、より本質的な安全対策を推進しています。特に、化学物質については、SDS(Safety Data Sheet)※1をデータベース化するとともに、有害性と暴露量からリスク評価できるシステムを活用しています。
安全衛生教育・研修
活動の柱の一つとして、安全衛生に対する感性の高い人づくりのため、安全衛生教育・研修の拡充に取り組んでいます。特に、危険感度向上の研修に力を入れており、安全啓発ゼミナール※2や危険体感訓練※3、KYT(危険予知トレーニング)を全部門に展開しています。また、国内外グループ会社、お取引先さま(東友会協同組合※4)、構内協力会社に対し、安全衛生に関する教育・研修を支援し、マツダグループ全体で安全な人づくりに取り組んでいます。
※1 化学物質および化学物質を含む混合物を譲渡または提供する際に、その化学物質の物理化学的性質や危険性・有害性および取り扱いに関する情報を相手方に提供するための文書
※2 過去の重大災害事例やマツダがこれまでに行ってきた安全活動の変遷をまとめたマツダ安全年表のパネル展示で、これまでの安全活動を振り返り、気づきや新たな知識を今後の安全管理に役立てることを目的にしている。
※3 職場に存在するさまざまな危険を疑似体験し、危険感受性を向上させる訓練
※4 1952年に東洋工業(現:マツダ)と取引関係のある協力会社20社の任意団体として発足。現在は63社の会員企業から成り、マツダは当団体に対し、労働安全面での助言・支援(マツダの安全情報の紹介、マツダ実施の安全教育への参加案内)を行っている。
グループ会社との連携
国内外のグループ会社に対して、定期的な会議または、活動計画や情報の共有、教育資料の提供などを行い、安全衛生課題の解決に向けた積極的な支援を行っています。また、長安マツダ汽車有限公司、長安マツダエンジン有限公司、マツダパワートレインマニュファクチャリング(タイランド)Co., LtdではISO45001の認証を取得しています。その他の工場においてもISO45001もしくはその他の規格を引用した労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)を運用し、マツダグループ全体で継続的改善に取り組んでいます。