マツダは、2023年に策定した企業理念の「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」というPURPOSEの実現のため、経営哲学である「ブランド価値経営」を実践しています。時代に適応しながら、動くことへの感動体験である「走る歓び」の価値をお客さまの「生きる歓び」にまで広げ、人々の生活をより豊かにし、サステナブルな社会の実現に貢献したいと考えています。
CEOメッセージ


時代に適応した「走る歓び」で、お客さまの「生きる歓び」を創造し、サステナブルな社会の実現に貢献します
企業理念の実現に向け、2030年時点での目指す姿として2030 VISION「『走る歓び』で移動体験の感動を量産するクルマ好きの会社になる」と定め、2030経営方針を推進しています。また、持続可能な社会の実現に向けたさらなる貢献を目指し、2024年度にはサステナビリティの全社推進体制を見直しました。
環境
マツダは、2050年にサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指しています。それに向けて、2035年にグローバル自社工場での実現を掲げて取り組んでいます。今後の代替燃料の調達環境や技術の進展を見据え、より着実かつ柔軟に対応できるよう国内の自社工場と事業所におけるロードマップおよび2030年度の中間目標を2025年9月にアップデートしました。
電動化の取り組みについては、2030年頃までを黎明期と捉え、3つのフェーズに分けて電動化への移行を計画的に進めています。技術戦略としては、お客さまの価値観や地域特性などに柔軟に対応できる「マルチソリューション戦略」を採用しています。この戦略のもとで、地域のエネルギー源や規制に応じて多様なソリューションを提供し、より多くのお客さまに低CO₂排出ソリューションを選んでいただけるようにすることが実質的なCO₂排出総量の引き下げに有効であると考えています。電動化の進展はグローバルで時間軸が見直されつつあり、マツダの戦略やアプローチは実効性を発揮し始めています。市場の変化に合わせて、柔軟かつ機動的に修正を行い、ブランド価値と企業価値の強化に努めます。さらに、私たちは「走るほどにCO₂を減らす」未来を目指し、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料やCO₂回収技術等さまざまな研究や検証を進めています。
社会
安全・安心なクルマ社会の実現は極めて重要な課題であり、技術開発と地域・社会との連携により、「死亡事故ゼロ」を目指していきます。その実現のために、人の研究に基づいた高度運転支援技術の開発を継続しており、ドライバー異常時対応システム(DEA)などの先進安全技術を搭載した商品の充実を図っています。
私たちマツダの最も重要な資本は「人」であり、従業員の能力向上とその成長の総和が会社の成長の源泉です。また、事業環境の大きな変化を乗り越える最も重要なリソースも「人」であると考えています。従業員一人ひとりの成長と多様性を尊重し、より一層相手の感情を意識した行動をとることを目指します。2023年より組織風土変革の取り組み「BLUEPRINT」を進めており、2025年春までにすべての従業員に展開しました。私自身も従業員と直接的な対話を行っています。会社の置かれている環境や目指すべき方向について、本音で語り合える機会を通じて、経営層から従業員層までが一丸となって、ビジネスを成長させ続ける職場風土の醸成を図っていきます。これにより、現場を支援する組織文化を育み、創造性を発揮できる環境を整備してまいります。
人権の取り組みについては、2023年に人権方針を制定し、社内に人権デューディリジェンスプロジェクトチームを立ち上げました。2024年度には、マツダグループで優先的に取り組むべき人権課題の特定と人権インパクトアセスメントを実施しました。課題解決に向けては、取り組み状況の確認およびその結果の追跡調査を行っています。サプライチェーン全体で人権デューディリジェンスが順守されるよう、お取引先さまとともに体制を強化してまいります。
ガバナンス
リスクと機会が隣り合わせの大きな時代の変化に対応するために、2023年度に導入したチーム経営とCXO制により、経営陣が現場に気を配り、お客さまの意見を取り入れて、迅速かつ柔軟に対応してオペレーションのスピードを速めています。また、ブランド価値経営の実現に向け、経営陣の視点や行動のさらなる変革を図るため、2024年度に見直した役員報酬制度は、自己資本利益率(ROE)、従業員のエンゲージメント、顧客志向、温室効果ガス排出量削減などの評価指標を設定することで、株主価値の向上や従業員エンゲージメント向上、顧客志向の徹底、社会課題の解決など、中長期的な企業価値の向上を目指します。
マツダは、技術革新と事業運営を時代に合わせて適応させ、社会に「走る歓び」と「生きる歓び」を提供することを通して、サステナブルな社会の実現に貢献します。今後も、「人」を中心に、多様な技術や共創するパートナーの知恵と熱量を結集させ、カーボンニュートラルの実現、安全・安心な社会を目指すとともに、日常に動くことへの感動や心のときめきを創造し、それを仲間と共有できる幸せをお届けしてまいります。
マツダ株式会社
代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)

