環境汚染の防止


基本的な考え方

マツダは、クルマの製造から廃棄までに関わる化学物質の管理や、クルマの走行時の排出ガス・燃費の低減に取り組むことで、規制に適合しながら、心豊かで美しい地球と永続的に共存できる未来の実現を目指しています。

取り組み

クリーンエミッション

排出ガスのクリーン化

排出ガスによる大気汚染防止のために、低排出ガス車の開発に取り組んでおり、各国・各地域の排出ガス規制に適合した車種の市場導入を進めています。

排出ガス低減技術

グローバルでの排出ガスや燃費規制の強化、新興国成長などによる市場拡大、希少資源の枯渇などを考慮しています。マツダ独自の高性能三元触媒やスス(PM)酸化触媒を開発し、貴金属の使用量低減、および排出ガスのクリーン化を進めています。

最新の排出ガス低減技術

  • ガソリンエンジン
    2.5L直列4気筒エンジンと3.3L直列6気筒ガソリンターボエンジンの排気ガス浄化に、三元触媒を基本としたシステムを適用しています。エンジン始動および再始動時に、触媒活性を早期化させるために改良された燃焼制御技術を組み合わせることにより、米国のSULEV30など各国の厳格な排出ガス規制に対応しています。
  • ディーゼルエンジン
    3.3L直列6気筒ディーゼルターボエンジンの排気ガス浄化のため、酸化触媒の他、ススを捕集・浄化するセラミックスフィルタを基本としたシステムを適用しています。理想の燃焼を追求した独自のDCPCI(空間制御予混合)燃焼技術および大排気量化により、NOx浄化触媒を要しないシンプルかつ安価なシステムで、国内RDE(実路走行排気試験)規制に余裕を持って適合するクリーンな排出ガスを実現しています。

化学物質の適正な管理

環境負荷物質管理基準

国内外の法や規制を基に、サプライチェーン全体で使用を制限(禁止または届出)する化学物質を規定した「環境負荷物質管理基準」を発行しています。

化学物質情報の収集・管理

国際標準システム「IMDS」※1を用い、製品に含まれる化学物質情報を収集しサプライチェーン全体で鉛・水銀・六価クロム・カドミウムといった環境負荷物質を適正に管理しています。

IMDS運用に関する取り組み

  • お取引先さまがIMDSを用いて適切に情報伝達できるように、ガイドラインを発行・公開。
  • IMDSを用いて収集した化学物質情報は、車両のリサイクル可能率の算出や欧州の化学物質規制「REACH」※2など、各種規制の対応に使用。

※1 International Material Data System
※2 Registration,Evaluation,Authorisation and Restriction of Chemicals

IMDSの仕組み

VOCの削減

車室内のVOC削減

快適な車内環境を保つためにホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどシックハウス症候群の原因とされるVOC※1の削減に取り組んでいます。2007年発売のデミオ(海外名:MAZDA2※2)以降の新型車では、インテリアに使われる主要な樹脂や塗料、接着剤などの素材そのものを低VOC化し、厚生労働省室内濃度指針値をクリアしています。

※1 Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物
※2 2007年当時

塗装工程におけるVOC削減

国内および海外主要工場の標準工程である「スリー・ウェット・オン塗装」および世界トップレベルの環境性能を持つ「アクアテック塗装」において、低VOC塗料の開発導入、洗浄シンナーの回収効率向上に取り組みました。

【2024年度実績】

  • ボディ塗装ラインの塗装面積当たりのVOC排出量:13.0g/㎡

環境データ(VOC排出量実績)

環境負荷を低減する燃料の導入

SOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)対策、ばいじん、粉じん、ミスト対策、VOC(揮発性有機化合物)対策について継続的な削減に取り組んでいます。その他、使用燃料を重油から都市ガスへ転換するなど、環境負荷を低減できる燃料を積極的に導入しています。

環境データ(NOx、SOx 排出量実績)

PRTR対象物質の排出量削減

塗装工程における「アクアテック塗装」導入、塗着効率の向上、洗浄シンナーの回収効率向上などを進め、今後もPRTR法対象物質の排出量削減に取り組みます。

【2024年度実績】

  • PRTR法対象物質の水域および大気への排出量:489トン削減(1998年度比82%減)

環境データ(PRTR対象物質排出量実績)

※特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律。Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出・移動登録