マツダ(株)の認証範囲には環境取り組み推進のため、以下の環境方針を定めています。
環境マネジメント
基本的な考え方
マツダ 環境方針
基本方針
社会や地域と共存する事業活動を通じて、カーボンニュートラル・循環型社会の実現を目指します。
行動指針
(1) 資源の循環利用、エネルギー使用量削減と再生可能エネルギー導入、生物多様性保全に努めます。
(2) ライフサイクルを考慮した商品・サービスの提供により、環境配慮商品・サービスの普及を拡大します。
(3) 環境法規制の順守にとどまらず、事業活動による地域・社会への環境影響を考慮し、未来にわたり社会の快適性確保に努めます。
(4) 一人ひとりの環境意識を高め、企業活動全体で持続可能な社会の実現に貢献するとともに、適切な情報開示と相互コミュニケーションを大切にします
取り組み
環境マネジメントの取り組み
環境マネジメントシステムの構築
グループ会社およびサプライチェーン全体で、環境に配慮した事業活動を効果的に行うために、ISO14001などの環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)の構築を推進しています。
【2023年度実績】
・マツダおよび国内・海外の製造系のグループ会社15社中14社でISO14001の認証を取得。
・国内の自動車販売会社で環境マネジメントシステム「エコアクション21(EA21)」※の認証取得を推進。連結販売会社15社およびマツダ中販には全社導入完了。オーナー系販売会社にも導入を推進。マツダ・マツダアンフィニ系販売会社24社、マツダオートザム系販売会社94社、マツダ中販(株)の合計119社で取得(2024年3月末時点)。
※ 中小企業者などの幅広い事業者に対して、環境省が策定した環境マネジメントシステム。
ISO14001の認証取得一覧
国内生産拠点・事業拠点
広島地区 |
広島地区 |
2000年6月 |
三次事業所 | ||
防府工場 |
西浦地区 | 1998年9月 |
中関地区(拡大) | 1999年9月 | |
東京本社 |
2016年9月 |
|
マツダR&Dセンター横浜 | ||
自動車試験場(美祢、剣淵、中札内) | ||
大阪法人事業所 |
国内連結子会社(販売系を除く)4社
(株) マツダE&T*1 | 2000年6月 |
マツダエース(株)*1 | 2000年6月 |
マツダロジスティクス(株)*1 |
2000年6月 |
倉敷化工(株) | 2001年12月 |
国内持分法適用会社4社
トーヨーエイテック(株)*2 | 2000年6月 |
(株) 日本クライメイトシステムズ |
2000年5月 |
ヨシワ工業(株) | 2002年4月 |
MCMエネルギーサービス(株)*3 | 2008年6月 |
海外生産拠点
オートアライアンス(タイランド)Co., Ltd.*4 | 2000年5月 |
長安マツダ汽車有限公司*4 | 2008年12月 |
長安マツダエンジン有限公司*4 | 2009年2月 |
マツダデメヒコビークルオペレーション*5 | 2014年12月 |
マツダパワートレインマニュファクチャリング (タイランド)Co., Ltd.*5 | 2016年11月 |
*1 マツダの認証範囲として一部もしくは全部の認証を取得。
*2 マツダの認証範囲の一部として認証取得。単独事業所では個別に2016年3月に認証を取得していたが、2017年4月に個社単独の認証に移行、これによりマツダの認証範囲から外れた。
*3 マツダの認証範囲に含まれていたが、2013年3月に独自に認証取得。
*4 持分法適用会社。
*5 連結子会社。
「グリーン調達」の推進
マツダは、サプライチェーン全体で環境保全に配慮した事業活動を継続的に推進することを目指して、「マツダグリーン調達ガイドライン」を制定し、活動しています。このガイドラインでは、世界中のお取引先さまを対象に、製品の開発から製造、納入に至る全ての段階での環境負荷低減活動を要請しています。そして、環境に配慮した取り組みを行っているお取引先さまから優先的に購入を進めていくことを明記しています。また、お取引先さまには、CO₂排出量削減のロードマップの策定と実施をお願いしています。その中で、地場を中心とした主要なお取引先さまにはロードマップを提出いただき、カーボンニュートラルに向けた協働活動を行っています。また、マツダは部品や資材、生産用設備・要具のお取引先さまに、ISO14001認証の取得および登録維持や、企業活動で排出する温室効果ガス量の削減を要請しています。さらに、情報提供などによってお取引先さまと協働した環境活動を推進します。現在、マツダ車の開発・生産に関わる主要なお取引先さまは全社ISO14001認証を取得しています。
【2023年度実績】
・新規お取引先さまを含め、継続的に取引がある国内外の主要お取引先さま約500社のISO14001認証の登録維持100%を継続(2024年3月末時点)。
・マツダグリーン調達ガイドラインの中で、購買一次お取引先さまを通じて二次以降のお取引先さまの環境マネジメントシステム構築を要請。
環境監査の実施状況
マツダを含む国内および海外のグループ内の認証取得会社は、ISO14001やエコアクション21(EA21)などの環境マネジメントシステムが有効に機能していることを確認するために、内部監査と外部機関による審査をそれぞれ年1回実施しています。内部監査や外部審査の結果は経営層へ報告し、迅速かつ適切な是正を行っています。
ISO14001外部審査の指摘件数
マツダ(株)
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|
重大な不適合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
軽微な不適合 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
観察事項 | 6 | 5 | 5 | 8 | 6 |
感覚公害の防止
感覚公害は、騒音・振動・臭気などにより人体に感覚的・心理的影響を与えるものです。これらの公害は法規制値をクリアしていても周辺の住民に不快感を与えることがあります。マツダでは、発生源の改善や防音・脱臭などの対策の強化を計画的に進めています。
自動車騒音の低減
マツダは、法定騒音規制値よりも厳しい自主基準値を定め、乗用車、商用車の全車種において、この自主基準値を達成させることで道路交通騒音の低減に努めています。また、自動車から発生する主な音源のエンジン騒音、吸排気系騒音、タイヤ騒音を低減するための技術開発にも積極的に取り組んでいます。
騒音防止対策の事例(MAZDA3)


環境リスクマネジメント
環境モニタリング
各工場・事業所で、環境汚染や事故などを想定した訓練を行ったり、大気汚染、水質汚濁などの環境モニタリングを定期的に実施しています。
(2023年度)
環境モニタリング項目 | モニタリング対象 | モニタリング項目 | モニタリング数 |
---|---|---|---|
大気 | ボイラ、溶解炉、加熱炉、乾燥炉 他 | 硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん、揮発性有機化合物、塩化水素の5項目 | 約280/年 |
水質 | 廃水処理水 | カドミウム、シアン、有機燐、鉛、六価クロムなどの43項目 | 約1,700/年 |
騒音・振動 | 敷地境界線 | 騒音レベル、振動レベルの2項目 | 12/年 |
臭気 | 敷地境界線、他 | 臭気指数の1項目 | 12/年 |
廃棄物 | 鉱さい、汚泥、金属くず 他 | カドミウム、シアン、有機燐、鉛、六価クロムなどの25項目 | 約100/年 |
法令違反および苦情
誠実かつ適切に対応し、再発防止策についても実施しています。
(2023年度)
マツダ(株) | グループ会社 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 内容 | 対策 | 件数 | 内容 | 対策 | |
法令違反 | 0 | ー | ー | 1 | 排水基準値不適合 | メンテナンスの実施 |
苦情 | 0 | ー | ー | 1 | 建物解体時の騒音・振動 | 近隣の方への説明実施。現時点では発生源無し。 |
環境教育・環境教育体制
マツダは、環境マネジメントシステム(EMS)の一環として、地球環境問題と国内外の動向、マツダの環境取り組み、職場での環境保全活動についての環境教育を従業員を対象に年1回、EMSのリーダーを対象に年2回実施しています。また、環境関連公的資格などの取得を従業員に推奨しており、資格取得に伴う費用の補助をマツダ・フレックスベネフィット※で受けられるなどの支援を行っています。
※ 選択型の福利厚生制度。あらかじめ定められたポイントの範囲内で社員個人が選んだ福利厚生メニューの補助が受けられる仕組み。
資格取得の推進
- エネルギー管理士
- 公害防止主任管理者
- 大気・水質公害防止管理者(第1~第4種)
- 騒音・振動関係公害防止管理者
- 粉じん関係公害防止管理者(特定、一般)
- ダイオキシン類関係公害防止管理者
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
- 環境社会検定試験(eco検定)
- EMS審査員
- 内部環境監査員
- 環境計量士
- 建築物環境衛生管理技術者
環境教育体制


日常の環境活動
日々、従業員一人ひとりが担当する業務にて、環境に配慮した取り組みを行っています。
紙使用量の削減
書類や財務帳票類の電子化、会議などでのプロジェクター、モニター設置利用を進めることで、オフィスでの大幅な紙使用量の削減を推進しています。また、廃紙の分別徹底などを通してリサイクルに努めています。
エネルギー使用量の削減
電力消費の少ない事務機器の購入、照明やパソコンなどの不要時電源オフの徹底などにより、エネルギー使用量の削減に継続的に取り組んでいます。昼休憩時には、オフィスや工場の照明を半分消灯する運動を継続・推進しています。また、夏期にはクールビズを実施し、室内温度設定を原則28℃としています。さらに、冬期の特に電力消費量が増加する季節には、ウォームビズを実施し、室内温度設定を原則20℃としています。
「エコ・ウォーク通勤」制度
環境意識の啓発と健康増進のため、2km以上の徒歩通勤者に通勤手当(1,500円/月)を支給しています。
マツダライトダウンキャンペーン
環境意識の醸成のため、マツダおよび国内グループ会社で、看板照明や屋内照明のライトダウンを実施しています。
【2023年度実績】
・2023年6月21日(夏至)と7月7日(七夕)の2日間、20時から22時までの2時間消灯
・電力量約12千kWh、CO₂排出量約5トンの削減
環境事故防止活動
油漏れ撲滅および交通安全啓発キャンペーン
マツダは、マツダロジスティクス(株)、トラック輸送会社と共同で、納品車両の油漏れ未然防止および交通安全の啓発活動を年2回行っています。この活動では、広島および防府の2工場への納品車両の運転手に啓発資料を配布し、環境・安全意識の向上と、事故発生時に迅速かつ的確に対応できる体制の構築を進めています。また、油漏れ未然防止活動の一環として、納品車両個々の整備状況や過去に発生した環境不具合情報をデータベースに集約して可視化したカルテ化システム※を構築し、2021年3月より運用を開始、2023年度末までに運用に同意いただいた全トラック輸送会社への導入を完了しました。今後も油漏れ未然防止を確実なものとするため、システムを有効活用していきます。


啓発チラシの配布の様子
※ トラック輸送会社が保有する輸送用車両に関するさまざまな情報を一元管理し、輸送会社に対し適宜注意喚起情報などの提供を行うもの。
型式・登録年月日・走行距離・法定/年次点検日・車検日などを登録している。