全日本ダートトライアル選手権

ダートコースを豪快な走りで攻めるタイムアタック競技。

ダートトライアルとは

 

ダートトライアルは、砂利や土に覆われた未舗装路のダートコースを走行してベストタイムを競うタイムトライアル競技です。 

1台ずつ2回走行して、ベストタイムを競うという競技スタイルはジムカーナと同じですが、ジムカーナはミスなく正確なマシンコントロールと無駄のないライントレースが求められる競技に対して、ダートトライアルの走らせ方は十人十色。タイヤが滑りやすい未舗装路の路面を利用した豪快なドリフト走行から、低μ路の路面にしっかりとトラクションをかけたグリップ走行まで、個性豊かな走りのドライバーたちが、1/1000秒を競います。スピードレンジが高く、勇猛果敢に限界ギリギリまでダートコースを攻めるダートトライアルは、モータースポーツの格闘技とも言われています。 

ダートトライアルはジムカーナと同じくナンバー付き車両で参加することができ、1台ずつ走行するためにレースのように他車との接触がない競技ですが、直線では最高速度が170km/h近くまで達するコースもあるうえに、路面の凹凸やギャップも多く、時には転倒やクラッシュしてしまうことも少なくありません。そのためダートトライアルに出場する車両は、転倒時に乗員を守るロールバーの装着が義務付けられているほか、荒れた路面の干渉からエンジン下部やボディ、燃料タンクなどを守るジェラルミン製やアルミ製のアンダーガードやタンクガードを装着することが必須となります。また、タイヤもダート専用のタイヤが必要となります。 

そのため、ジムカーナのように普段乗りのクルマで気軽に参加することは難しい競技ですが、1台ずつ走行するごとに刻々と変化するダート路面に対し、極限状態でクルマをコントロールするダートトライアルの魅力に魅せられた多くの選手が参加しています。そのなかには、モータースポーツベース車両という位置付けで設定されたMAZDA2 15MBやデミオ15MBなどのマツダ車が活躍しています。 

MAZDA2 15MB/デミオ15MBの魅力

2015年、モータースポーツのベース車という位置付けで発売されたデミオ15MBはその後マツダ2 15MBに継承され、ダートトライアルでは発売当時から最も小排気量クラスのPN1クラスで活躍しています。PN1クラスは1600㏄の車両も出場でき、排気量や最高出力が1500ccのマツダ/デミオ15MBよりも大きいライバル車が多いなか、2021年にはシリーズチャンピオンを獲得。2022年はシリーズ2位、2023年はシリーズ3位と、常にチャンピオン争いの一角を担っています。

その武器は、コントロール性能とトラクション性能。多くのドライバーが「素直な動きで、ドライバーの意のままにクルマを動かすことができる」と、絶賛しています。また、シャーシとサスペンション性能も高く、荒れた路面でも挙動が安定し、しっかりと路面にエンジンパワーを伝えるのも、魅力のひとつです。ダートトライアルでは高いスピードを維持しながらクルマを横に向けて進入するドリフト走行から、コーナーの進入でしっかりとブレーキでスピードを落とし、コーナーの立ち上がりでスピードを稼ぐグリップ走行まで様々な走らせ方がありますが、そのどちらの走りにも対応するキャパシティの広さが、ダートトライアルでは大きな武器となっています。

2025年の見どころ

PN1クラス

改造範囲が制限された1600cc以下の前輪駆動車が出場するPN1クラスは、1600ccの車両が多いなかで1500ccのマツダ2/デミオ15MBも健闘しています。2024年は、ウエットコンディションとなった開幕戦でデミオ15MBが優勝。超硬質路面で戦われた第5戦でも、デミオ15MBが優勝を飾るなど、ベテランから中堅、若手まで、マツダ2/デミオ15MBを駆る多くのドライバーたちが全日本を舞台に活躍しています。2025年は、これまでマツダ2/デミオ15MBのエース的存在だったドライバーが他のクラスへ移りますが、少数精鋭ながらもマツダ2/デミオ15MBがPN1クラスの戦いをさらに面白くしてくれるでしょう。

Dクラス

安全規定をクリアすれば、改造範囲は無制限のDクラス。全日本ダートトライアルで最も人気が高い花形クラスともいわれています。元の車体を大幅にモディファイし、パイプフレームを組んで製作された改造車が出場するクラスですが、今シーズンは2輪駆動車がD1クラス、4輪駆動車がD2クラスの2クラスに分かれることとなりました。そのなか、500馬力に迫るパワーユニットと4WDシステムを誇るD2クラスには、マツダ2のカウルを被った車両も活躍。様々な仕様の改造車両が出場するD2クラスのなかでも、大きな存在感を示しています。

2025年 年間スケジュール

大会開催日開催場所レポート
第1戦3/15(土)-16(日)いなべ
モータースポーツランド
レポート
第2戦4/5(土)-6(日)テクニック
ステージタカタ
第3戦4/26(土)-27(日)丸和オートランド
那須
第4戦5/24(土)-25(日)オートスポーツランド
スナガワ

第5戦

6/21(土)-22(日)エビスサーキット
南コース
第6戦7/19(土)-20(日)サーキットパーク
切谷内
第7戦9/20(土)-21(日)いなべ
モータースポーツランド
第8戦10/11(土)-12(日)テクニック
ステージタカタ
JAFカップ11/8(土)-9(日)スポーツランド
信州