1971年9月、10A型ロータリーエンジンを搭載したサバンナが誕生した。ボディタイプはクーペとセダン。大草原を走る猛獣の野生美と溢れるパワーのイメージに加え、世界初の蒸気船、原子力船がともに「SAVANNA」であったことから命名された。販売を開始した月には5,406台を受注。しかも下取り車の半数以上が他メーカーの車両であったことから、いかに市場の注目を浴びていたかが伺われる。
翌1972年に発売された12A型搭載車は持ち前のパワーを生かし、無敗神話を持っていたスカイラインGT-Rと激闘を繰り広げ、遂に王者を打ち負かした。1976年には単一車種で国内レース通算100勝を挙げるほどの圧倒的な強さを見せ、若者から絶大な支持を得た。
一方で、環境規制への関心が高まるなか、サバンナは走りと環境の両立を追求。サーマルリアクタ(*)の採用などで低公害化に取り組み、1973年には排出ガス規制適合車であるサバンナAPをシリーズに加えた。
*サーマルリアクタ:ロータリーエンジンの最高燃焼温度が低い事を利用し、NOxの発生を抑える一方、平均燃焼温度が高い事を利用し、HC、COを、エンジン外で再燃焼させる仕組み