「この地にしっかり根を張って、地域の一員になろう」
「地域の皆さまに受け入れていただいたことへの感謝を、地域貢献という形でお返ししたい」
地域の歴史ある伝統行事やイベントへの参画に加え、従業員一人ひとりが地域の一員として、さらにはその期待を超えることを目指し、日々の活動を積み重ねています。
地域に根ざし、地域とともに歩んでいく~マツダ防府工場~
山口県防府市にあるマツダ防府工場は、マツダが広島県外に初めて設けた生産拠点で、1981年の操業開始以降、地域とともに歩み、成長してきました。
1993年から地域の企業とともに始めた「愛情防府運動」のスローガンは「大切にしたい。いちばん好きな街だから」――その活動の中で官民一体となって展開してきた「愛情防府フリーマーケット」の開催は2025年に30回目を迎えました。操業当初から変わらぬ地域への想いを受け継ぎながら、地域の皆さまと力を合わせて、“いちばん好きな街”の未来をともに築いていく、マツダ防府工場の取り組みをご紹介します。
目次
大切にしたい。いちばん好きな街だから
1993年4月、防府市内に事業所を置く35社が一致協力し、「防府市活性化・まちづくりのために協力しよう」という思いのもとで生まれたのが「愛情防府運動」です。初年度から「愛情防府フリーマーケット」や「愛情防府マツダ駅伝競走大会」など、多岐にわたる地域貢献活動を展開しており、今では約150社の企業の賛同を得て継続した活動を行っています。
その中でも「愛情防府フリーマーケット」は、マツダ防府工場をはじめとする地元企業が「私たちが一番好きな街を大切にしたい」という思いから企画したイベントで、この取り組みに行政や商店街も賛同し、「一緒に盛り上げよう」と協力の輪が広がったことで、官民が一体となったイベントへと成長しました。年々規模を拡大し、西日本最大級の規模を誇るフリーマーケットとなり、防府市民にとっても親しまれ、地域を代表する催しとなりました。
1993年に始まった愛情防府フリーマーケット第1回の様子
■2025年に開催された愛情防府フリーマーケット
2025年の「愛情防府フリーマーケット」は、防府駅周辺の5つのエリアを舞台に、約6万5千人の皆さまにご来場いただき、盛況のうちに開催されました。
「愛情防府運動推進企業エリア(以下、企業エリア)」は、山口県内に事業所を構える約150の企業・団体の出店するエリアです。
多くの来場者で賑わいを見せていた(企業エリア)
マツダスカイアクティブズ広島のラグビー体験が賑わいを演出(企業エリア)
「フリマエリア」は、一般の方々が自由に出店できるフリーマーケット専用のエリアです。その他にも、「ステージ・キッズエリア」「行政・団体エリア」「ルルサスエリア」といった特色あるエリアで構成されています。
また、第30回の開催を記念した特別企画として、協賛企業による豪華賞品が当たるクイズラリーを実施。来場者が5つのエリアを巡りながら楽しめる、回遊型のイベントとなりました。
フリマエリアには参加者による多数の出店が並んだ
笑顔のクイズラリー受付会場
企業エリアに参加された皆さんの声を集めました。現場の熱気や想いをぜひご覧ください。
マツダ防府工場 後藤さん(左)/山根さん(右)
マツダ防府工場 洲村さん
後藤さん:
今回、初めて運営側として参加です。私の子どもがポップコーンを食べると笑顔になるので、今日は皆さんに笑顔になってもらえるよう、完売を目指して販売しています
山根さん:
防府で生まれ育ち、子どもの頃から親しんできたフリーマーケットに、今はマツダ社員として運営に関われることに大きな喜びを感じています
洲村さん:
新入社員の頃から運営に携わってきました。顔なじみのお客さまから「今年もありがとう」と声をかけていただけるのが嬉しく、人の笑顔に触れられるこの時間がとても楽しいです
マツダ防府工場 宮本さん
マツダスカイアクティブズ広島 金山さん
宮本さん:
地域の方から「今年もマツダさんの出店を楽しみにしていました。がんばってくださいね」と温かい声をかけていただきました。私たちが心を込めて作った料理を食べて、皆さんが笑顔になってくれる様子を見ると、嬉しくなります
金山さん:
スカイアクティブズの応援には、山口県からもたくさんの方々が駆けつけてくださいます。ラグビーを通じて、山口県の皆さまと一緒に楽しい時間を過ごせることが何よりの喜びです。今年も山口県で試合が予定されているので、ぜひ多くの方に応援に来ていただけると嬉しいです
株式会社ブリヂストン 小吉さん
マツダ防府工場長 松田さん
小吉さん:
防府でともに事業を展開する企業として、マツダの地域貢献活動には大きな刺激を受けています。今回のフリーマーケットでは、8社の総務部門が連携し、協力して出店しました。来場者に商品の魅力を伝えたり、会話を通じて価格を決めたりと、地域の方と直接ふれあう場面が多く、とても楽しく充実した時間を過ごせています
松田さん:
2025年4月、防府工場に戻り、6年ぶりにフリーマーケットへ参加しました。変わらず笑顔でお客さまと接する防府の仲間たちの姿に、防府に帰ってきたことを実感しています。私は地域とのつながりを大切にし、信頼と共感を基盤としたコミュニティづくりを目指しています。これからも防府工場の活動を通じて、関係する皆さまと笑顔の輪を広げていきたいと考えています
マツダ防府工場を含む愛情防府運動推進企業の売り上げの一部は、フリーマーケットの運営費や、防府市内のさまざまな施設・団体への寄付金として活用されています。
地域の方にとって身近な存在でありたい
マツダ防府工場では、「防府工場のことを知ってもらいたい」「そこで働く一人ひとりとふれあい、親しみを感じてもらいたい」そんな想いから、地域の皆さまとのつながりを深める交流の場を大切にしています。地域の皆さまの笑顔は、ともに地域に暮らす従業員にとっても大きな活力となっています。
■工場見学
マツダ防府工場では、操業初期の1980年代前半から地域の皆さまを対象にした工場見学を継続的に実施してきました。近年では、小学5年生が自動車産業について学ぶ教育課程に合わせて、防府近郊の小学校を中心に、児童たちが工場を訪れ、ものづくりの魅力に触れる機会を提供しています。
クルマが組み立てられる工程を目の当たりにした児童たちからは驚きの声が上がり、見学後には感謝の気持ちを込めた手紙も多数寄せられています。これらの声は、従業員にとって大きな励みとなり、地域とのつながりを実感する瞬間となっています。
マツダのものづくりの魅力を熱心に説明
ものづくりの魅力を発見
※防府工場の工場見学会:防府工場|体験する・楽しむ|MAZDA 企業サイト
■自動車専用船見学会
2013年にスタートしたマツダ防府工場での「自動車専用船見学会」は、日本の自動車産業に対する理解を深めるとともに、マツダへの親しみを育むことを目的とした地域連携イベントです。2025年には9回目を迎え、巨大な専用船のスケールに驚きと興味を抱いた参加者が、船内で船長の業務を体験するなど、貴重な学びの場となりました。
参加者からは「クルマがどのように届けられるのかがよく分かった」「子どもと一緒に特別な体験ができた」といった喜びの声が寄せられ、会場は笑顔で溢れました。
巨大な専用船とともに、笑顔の記念撮影
双眼鏡を手に、船長の仕事を学ぶワクワクの瞬間
■愛情防府マツダ駅伝競走大会
「愛情防府マツダ駅伝競走大会」は、防府市内の企業による地域貢献活動「愛情防府運動」の一環として1994年にスタートし、駅伝のコースにはマツダ防府工場の敷地内を開放しています。2025年2月に開催した第32回大会は、防府工場西浦地区構内のテストコースを含む全長17.4kmを7区間に分けたコースで実施され、98チーム・686名が参加。地域の皆さまが一体となり、達成感と笑顔に包まれる大会となりました。
スタートの瞬間
笑顔のタスキリレー
■愛情防府マツダ招待サッカー大会(U12)
1982年にマツダ防府工場が地域のチームに声をかけて、工場内のグラウンドからスタートしたこの大会は、サッカーを通じて子どもたちの健全な成長を支援することを目的としています。参加チームは年々増加し、第41回を迎えた2025年の大会では県内外から36チームが集結。今では山口県を代表するサッカー大会のひとつに成長しました。
1982年の第1回大会の様子
2025年の第41回大会の様子
■いちばん好きな街に広がる笑顔の輪
マツダ防府工場の歩みは、地域とともにあります。地域に受け入れていただいたからこそ、今の私たちがいる。その感謝の思いをいつまでも大切に、マツダ防府工場はこれからも地域とともに、“いちばん好きな街“防府に笑顔の輪を広げていきます。
防府工場の紹介
マツダ車を生産し、2025年4月時点で約4,500名の従業員が、安全・安心を第一にものづくりに取り組んでいます。生産ラインでは、コンパクトカーのMAZDA2から、ラージ商品群のCX-60やCX-90まで幅広いモデルを手掛けています。
さらに、2021年には防府第2工場の改修を行い、電動化モデルを含む多様な車種を同一ラインで生産できる柔軟な体制を構築しました。こうした取り組みにより、防府工場はマツダの最新鋭工場として進化を続けています。
日本地図で見る防府工場のロケーション
穏やかな瀬戸内海に面した防府工場