森も人もいきいきとするマツダの森林保全活動 ~美しい自然を地域とともに未来へつなぎたい~

未来の森を作るのは、今日の小さな一歩から
未来の森を作るのは、今日の小さな一歩から

未来の森を作るのは、今日の小さな一歩から

マツダ本社のある府中町の北東部に位置する水分峡森林公園は、地域の皆さんにとっても、私たちにとっても親しみ深い緑豊かな憩いの場です。しかし、平成30年7月豪雨により甚大な被害を受けました。

マツダでは、「なんとか元の美しい姿を取り戻したい」という想いから、地域のボランティア団体「みくまりの森サポートクラブ(以下:サポートクラブ)」や府中町環境課と協力し、2023年3月から整備ボランティア活動を実施しています。

この活動では、災害で傷ついた自然に触れながら、「私たちにできることは何だろう?」とサポートクラブの皆さんと一緒に考え、一歩ずつ進めています。これまで計3回の活動(延べ105人参加)を行い、サポートクラブのアドバイスのもと公園内の登山道整備に取り組んできました。利用者が安全に通れるようにすることで、公園の再生に貢献しました。

「せーの!」で力を合わせて森を守る

今回は2024年秋、自主的に集ったマツダグループ従業員はじめ、その家族、友人など計45名で行った水分峡森林公園整備ボランティア活動を紹介します。4回目の活動となる今回は、森林の間伐作業を行いました。混みすぎた森の木の一部を切ったり、絡みついたツルを取り除いたりすることで、林床に太陽の光が当たり、森がいきいきとします。

どの木を切るべきか、どうすれば安全に作業を進められるかなど、サポートクラブの皆さんに教えていただきながら作業を進めました。

「せーの!」で力を合わせて森を守る
「せーの!」で力を合わせて森を守る

複雑に絡み合ったツルは一人では引き抜けません。そんな時には自然とみんなで声をかけ合って集まります。「行くよ!」「せーの!」と声を合わせ、一気に引き抜いた瞬間、大きな達成感があります。「みんなで力を合わせて何かを成し遂げるって、こんなに気持ちがいいんだな」と実感しました。

「せーの!」で力を合わせて森を守る
「せーの!」で力を合わせて森を守る

作業の合間には、一緒に参加している家族の中だけでなく、初めて会った参加者同士の間にも会話が生まれていました。慣れない作業に試行錯誤する子どもたちにサポートクラブの皆さんが「根本の少し上を切るようにしないと危ないんだよ」とサポートし、要領を掴み始めた子どもたちの「この木も切っていい?」という質問には「これは残しておかないといけないよ、こっちの木を切ってごらん」とアドバイス。子どもたちも楽しみながら自然についての知識が増えていきます。

「せーの!」で力を合わせて森を守る
「せーの!」で力を合わせて森を守る

小学生でもしっかりと木を切り、頼もしい姿を見せてくれます。

親子で手伝いながら木を切ります
親子で手伝いながら木を切ります

親子で手伝いながら木を切ります

姉妹で参加してくれました
姉妹で参加してくれました

姉妹で参加してくれました

木の伐採時に「そろそろ切り終わりまーす!」と大きな声で周囲に教えてくれていた小学5年生

木の伐採時に「そろそろ切り終わりまーす!」と大きな声で周囲に教えてくれていた小学5年生の男の子
木の伐採時に「そろそろ切り終わりまーす!」と大きな声で周囲に教えてくれていた小学5年生の男の子

今日は大きな木をたくさん切りました!前にマツダの森の森林保全活動に参加したとき、安全のために木が倒れるのをみんなに伝えないといけないと教えてもらったので、今回もやらなきゃと思いました。木は、最初は硬くてなかなか切れなかったけど、まず切り込みを入れて、それから少しずつ切ったら、ちゃんと倒れてくれました。切れたときは、めっちゃ気持ちよかったです。

小さな体で元気いっぱいに木を切っていた小学2年生

小さな体で元気いっぱいに木を切っていた小学2年生の女の子
小さな体で元気いっぱいに木を切っていた小学2年生の女の子

木を切ると、太陽の光が木に当たるようになって、木が元気になるんだって知りました。木を切るのは初めてで難しかったけど、頑張って切っていったら大きな木を倒すことができて、うれしかったです。あと、自然の中に虫がたくさんいるのを見つけて楽しかった!

ものづくりの精神と強い絆を発揮

傾斜のある場所での作業は、安全対策が特に重要です。作業班は大人のみで構成し、作業開始前には数人ではしごを固定したり、木々にロープをくくりつけて足場を安定させたりするなど、安全に動ける環境を整えました。

ものづくりの精神と強い絆を発揮
ものづくりの精神と強い絆を発揮

作業効率を上げるためには、全員が自分の役割をしっかり理解し、次に何をすべきかを常に考えながら行動することが大切です。全体の流れを把握しながら、自分の動きを調整していく――そんなチームワークを発揮していました。マツダの「ものづくりの精神」や「工夫する力」がこのような形で役立つのだと実感しました。

ものづくりの精神と強い絆を発揮
ものづくりの精神と強い絆を発揮

作業が終わる頃には、密集していた木々がすっきりし、見通しが良くなっていました。

自然を整える作業は大変な部分もありますが、みんなで力を合わせて取り組むことで、少しずつ森が美しくなっていくのを目の当たりにすると、大きな喜びとやりがいが感じられます。

ものづくりの精神と強い絆を発揮
ものづくりの精神と強い絆を発揮

<参加者の声>

参加者
参加者

水分峡森林保全ボランティアへの参加は3回目です。この活動を通して、自然の大切さと人との絆の深さを改めて感じています。一人では難しい作業でも、みんなで力を合わせると不思議とできてしまうものです。自然と向き合いながら、相手を思いやる気持ちや、達成感を共有する喜びを味わえることが、この活動の魅力だと思います。

また、ここで知り合った人たちと、仕事のプロジェクトで偶然再会することもありました。ここで生まれたつながりを大切にしながら、これからも活動を続けていきたいと思います。

汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき

作業が終わった後は、参加者で昼食を取りながら親睦を深めます。調理に使うのは、同じく広島の企業である大和重工株式会社が製造するかまどセットの「湯牧民かまどん」。災害への備えとしてマツダ本社で所有しています。平時から慣れ親しむことで、いざという時すぐに使えるよう、火おこしの方法をみんなで学びます。

ごはんがつやつやに炊き上がったのを見ると、みんなの顔もほころびます。大人も子どもも一緒になって作業し、その後の食事を心から楽しむ様子は、まるで大きな家族のようで、心温まる時間です。

大和重工株式会社 「湯牧民かまどん」
大和重工株式会社 「湯牧民かまどん」

大和重工株式会社 「湯牧民かまどん」

汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき
汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき
汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき
汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき
汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき
汗をかいた後はみんなでごはん!笑顔が広がる特別なひととき

<参加者の声>

力強く木を伐採し、かまどんで炊いたごはんもたくさん食べてくれた中学3年生

力強く木を伐採し、かまどんで炊いたごはんもたくさん食べてくれた中学3年生の男の子
力強く木を伐採し、かまどんで炊いたごはんもたくさん食べてくれた中学3年生の男の子

こんな風に自然の中で体を動かすのは久しぶりでした。僕は科学部で木を切るのには慣れているので、楽しく作業できました。あと、ヘルメットや安全用具がしっかりしていて、安心して作業ができると思いました。作業の後に食べるご飯とバーベキューは、特別おいしかったです。たくさんおかわりしました。

家族で参加した方

家族で参加した方
家族で参加した方

子どもたちには、さまざまな経験を通じて多くのことを学んでもらいたいと思っています。何にでもチャレンジし、自分でやってみることで楽しさを感じてもらえると嬉しいです。今回の活動では、初めは木々が生い茂っていて薄暗かった場所が、木を切ることで光が差し込み、明るくなりました。自然の中で新しい体験をしながら、楽しい思い出をたくさん作ってほしいと願っています。

家族で参加した方
家族で参加した方

自然環境について問題意識を持っていても、実際に行動に移すのはなかなか難しいものです。この活動に毎回参加することで、「自分も自然環境に貢献できるんだ」という実感を得られています。それだけでなく、純粋に楽しいというのも大きな魅力です。木を切ったり、森を整備したり、自分には難しいと思っていた作業も、やってみれば意外とできるんだ!と気づかせてくれます。

ときには道具を使わずに木を折るような作業もあり、なんとも言えない達成感があります。作業が終わって、森がすっきりと整備されたのを見ると、そのキレイさに気持ちまで晴れやかになりました。

みくまりの森サポートクラブの皆さんから、うれしい言葉をいただきました!

みくまりの森サポートクラブの皆さん
みくまりの森サポートクラブの皆さん

「森や山というのは、放っておくと荒れてしまうものです。だからこそ、しっかり手入れをすることで、木々が健康に育つ環境を作らなければいけません。その大切さを次の世代にも伝えたいと思い、小学生を対象とした活動も積極的に行っています。活動の前には必ずマツダの皆さんと一緒に作業する場所を下見し、安全面に配慮した計画を立てます。マツダの従業員で、定年後にサポートクラブに所属してくださる方もいらっしゃるんですよ。現役時代の経験や技術を活かして活躍されていて、頼もしく感じています。

実は私も70歳を過ぎてからサポートクラブに入り、チェーンソーの取り扱い資格を取得しました。年齢を重ねても、こうして新しいことに挑戦し続けられるのは、この活動の魅力でもあります。

森を守るためには、継続して手を入れることが欠かせません。この活動を通じて、次の世代に自然を美しい状態で引き継いでいきたいと思っています」

みくまりの森サポートクラブ副会長 力山 彰さん
みくまりの森サポートクラブ副会長 力山 彰さん

みくまりの森サポートクラブ副会長 力山 彰さん

「これまで森の活動を行ってきましたが、やりたくても人手や時間が足りず、なかなか手を出せなかった場所がいくつもありました。そんな中で、マツダさんが参加してくださるようになり、ここを整備したい、あそこの木を伐採したいといった希望を一緒に話し合いながら進められるようになりました。大人数を動員していただけるので、これまで手をつけられなかった場所も一気に片付いて、本当に助かっています。
前回までの登山道の整備では、登山者や山好きの方に喜んでもらえるような道ができました。マツダさんの皆さんは技術力が高く安全意識も徹底しているので、大きな助けになっています。
水分峡は、子どもの頃から親しんできた大切な場所です。当時の美しい景色を思い出しながら、少しでもその姿に近づけていけるよう努力していきたいです」

大切に育てていきたい、地域と私たちのつながり

マツダグループで働く仲間たちがアイデアを出し合い、工夫しながら作業を進める姿。そして、地域の方々と一緒に汗を流しながら、自然が少しずつ元気を取り戻していく様子を見ると、本当に嬉しい気持ちになります。参加者たちからは、「楽しかった!」「またやりたい!」という声もあがり、自発的に「やってみよう!」と行動を起こすきっかけづくりになっていると感じます。マツダは、これからも地域の皆さんとの絆をさらに深めながら、地域とともに自然も人もいきいきとする活動を取り組んでまいります。

大切に育てていきたい、地域と私たちのつながり
大切に育てていきたい、地域と私たちのつながり