世界の平均気温は工業化以前よりも既に約1.1℃上昇しています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「1.5℃特別報告書」によると、現在の速度で温暖化が進み、気温上昇が1.5℃を大きく超えると、自然や人間活動へ大きな影響を引き起こすため、2050年前後にはCO₂総排出量をゼロにして、1.5℃上昇に抑える必要があると言われています。
このような予測を受け、現在までに、2050年などの年限付きのカーボンニュートラルの実現を表明している国・地域は合計で150以上にのぼり※、カーボンプライシングなどの制度設計やエネルギー技術開発への投資などが加速しています。産業界では、エネルギーや産業構造の変容、ライフサイクルアセスメント(LCA)に基づくサプライチェーン全体での脱炭素化、温暖化ガス排出抑止のための脱炭素・低炭素化技術の活用などの取り組みを加速しています。
※ 「令和4年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2023)」参照(外部リンク)