マツダは、自動車メーカーとして「経団連生物多様性宣言」の趣旨に賛同して生物多様性の保全に取り組んでいます。2011年度にはマツダにおける生物多様性の取り組みを体系的に構築していくための「生物多様性に関する影響度評価」を実施し、マツダの事業活動や製品が与える自然の恵みと自然への影響の重要性を認識しました。これを受けて2012年12月に「マツダ生物多様性ガイドライン」を制定し、企業活動を通じた生物多様性保全への貢献や、人と自然が調和した豊かで持続可能な社会づくりを目指して活動しています。「生物多様性に関する影響度評価」の結果を踏まえ、エネルギーや水などの「資源」に重点を置き、商品・技術および生産・物流領域における、生物多様性への影響を軽減させる取り組みを進めています。
生物多様性
基本的な考え方
マツダ生物多様性ガイドライン
基本的考え方
「マツダ地球環境憲章」に基づき、マツダグループは自然の恵みと自然への影響の重要性を認識し、国内・海外の企業活動を通じた生物多様性保全への貢献に努め、人と自然が調和した豊かで持続可能な社会づくりとその発展を目指します。
重点取り組み項目
- 環境に配慮した技術と商品の創造
排出ガスの浄化、CO₂の低減、クリーンエネルギー車の研究開発、リサイクルの推進や生物多様性に資する技術の開発により、環境と企業活動の調和に配慮した技術と商品の創造を推進します。 - 資源・エネルギーを大切にする企業活動
エネルギーの効率的な活用、省資源・リサイクル活動により環境負荷物質の低減と資源の有効活用を推進し、生物多様性の保全に貢献します。 - 社会や地域との連携・協力
サプライチェーンおよび自治体、地域社会、NPO・NGO、教育・研究機関などの幅広いステークホルダーとの連携・協力に努め、地域に密着した活動を推進します。 - 啓発と情報開示
人と自然との共生の意識向上に努め、積極的かつ自発的に行動するとともに、成果を広く社会に開示し共有します。
(2012年12月制定)
「生物多様性に関する影響度評価」プロセス
ステップ1:評価対象範囲の選択(自動車関連事業とする。海外、子会社も想定するが、主に国内影響の大きいバリューチェーンを対象)
ステップ2:生態系サービスに対する依存度・影響度の評価、生物多様性への脅威の評価
ステップ3:生物多様性に関するビジネスリスクとオポチュニティの特定
ステップ4:優先課題の抽出と既存対応の現状評価
ステップ5:今後の対応の方向性の特定
取り組み
生物多様性保全の取り組み
環境に配慮した技術と商品の創造
- 電動化技術やSKYACTIV技術の搭載車の販売により、有害な排出ガスやCO₂を低減することで気候変動の抑制に寄与し、生物の多様な生息環境の保護に貢献しています。
- すべてのクルマに3R設計を取り入れ、新車のリサイクル性の向上に取り組んでいます。これにより、自動車の材料である鉄、アルミニウム、樹脂、レアメタルなどの限りある資源の新規採掘・採収の抑制に寄与し、生物の多様な生息環境の保護に貢献しています。
【関連情報(サステナビリティサイト)】
資源・エネルギーを大切にする企業活動
- 多様な製品に対して、高効率かつ柔軟な生産を行うことで、生産工程の設備稼働率が向上。エネルギー使用量や廃棄物の削減、資源の効率的な利用により、環境負荷を軽減し、気候変動の緩和や生息地の保全に寄与しています。
- マツダデメヒコビークルオペレーションの建設時には、土壌の持ち出しや持ち込みを避けるため、建物の基礎には敷地内の土を使用し、自生していたメスキート179本はすべて保護しました。また敷地外では、工業用水に地下水を使用するため、源流の山間部100haに3万箇所の雨水貯水溝を整備し、荒廃した山の再生による水源確保に取り組みました。
社会や地域との連携・協力
- 2023年12月にマツダと三井物産株式会社がJ-クレジットの売買契約を締結し、2022年度から2029年度までの8年間、森林保全によるCO₂吸収量をクレジット化したものを購入します。本クレジットによる収益の一部は、持続可能な森林づくりに向けて、共同プロジェクトによる森林の整備・管理および自然災害への対応強化などに活用されます。
- 2010年に広島県と森林保全・管理協定を締結。広島県緑化センター内の「マツダの森」を中心に、保全活動を行っています。
- 「GREEN SEA瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」に参画し、海岸の清掃活動を行っています。
- マツダR&Dセンター横浜では、横浜市が提唱する「京浜の森づくり」事業に賛同し、産学官民で構成する「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」のトンボ飛来調査を支援。この調査では、トンボを指標にして、十分な緑地があり生物多様性(生態系)に配慮した緑地の質の保全検証を行っています。
- マツダモータースオブニュージーランドLtd.が「ツリーズ・ザット・カウント」の取り組みを支援。マツダの新車販売1台ごとに5本の植樹を行っています。
啓発と情報開示
- マツダサステナビリティサイトおよびマツダ社会貢献活動サイトにて、気候変動や資源循環、社会貢献活動の取り組みを開示しています。
- 日本、米国、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカで財団を設立し、それぞれの地域で環境保護に関する支援活動を展開しています。
- 社有地での生物多様性の取り組みや生物多様性に関するニュースなどを従業員に広く知らせるため、「生物多様性ニュースレター」を定期的に発信しています。
【2024年度実績】
- 「生物多様性ニュースレター」制作号数:第14号発行