1973年(昭和48年)10月、第4次中東戦争をきっかけに、第1次オイルショックが勃発した。日本国内では、オイルショックと直接的に関係のないトイレットペーパーや洗剤などの買占め騒動が起こるほど、それはかつてない生活への不安を人々に与えた。
自動車メーカーは、それまでの安全問題、排ガス規制問題にくわえ、低燃費への挑戦という試練に立ち向かうことになった。
3代目のファミリアは、そのオイルショック直前の73年9月に発売となった。車名は、「ファミリアプレスト」となった。プレストとは、イタリア語で「早いリズム」の意味である。2代目ファミリアの途中で、ワンランク上級のファミリアとして誕生したプレストが、正式にファミリアを背負って立つことになったのだ。