ITS(高度交通道路システム)
ITSとは
ITS(Intelligent Transport Systems: 高度交通道路システム)は、情報通信技術を用いて、クルマと人と交通環境を結び、渋滞緩和や事故防止を図るシステムです。マツダは、政府や地域、関連企業と連携して、社会全体で安全なクルマ社会の実現をめざしていくため、ITSプロジェクトに自動車メーカーの視点で積極的に参画しています。
高度交通道路システム動画
見えていない危険をドライバーに知らせる技術
マツダはITSを、マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE」でも検知できないような、対象までの距離が遠すぎる場合や見通しのきかない交差点などの見えていない部分を検知し、360度認知(解かる/伺える/聴こえる)を実現するための手段の一つとして位置付けて、研究開発を進めています。
マツダのASV開発の歴史
1991年 |
先進安全自動車(ASV)研究開発プロジェクトに参画 |
1995年 |
最初の先進安全自動車「マツダASV」を開発 |
2000年 |
「スマートクルーズ21 Demo 2000」に「マツダ ASV-2」を出展 |
2002年 |
先進安全自動車「マツダ ASV-3」の公道走行試験を開始 |
2006年 |
「広島地区ITS公道実証実験連絡協議会」に参加 |
2007年 | 広島地区におけるITS公道実証実験に向けてシステム(車載機)を開発 |
2008年 |
広島地区の産学官共同でITS公道実証実験を実施 |
2008年 |
先進安全自動車「マツダ ASV-4」の公道走行試験を開始 |
2009年 | ITS合同実証実験「ITS-Safety2010」に参加 |
2013年 |
先進安全自動車「マツダ アテンザASV-5」を開発、「第20回ITS世界会議東京2013」に参加 |
先進安全自動車「マツダ アテンザASV-5」
通信とセンサー技術の協調による危険認知支援と直感型HMI
・車車間、路車間、歩車間の通信と車載の自律センサーを協調させることにより、見えてない部分を含めた危険対象の360°認知を支援します。
・運転操作を阻害せずに、ドライバーを取り巻く、見えてない部分を含めた危険対象の360°認知(空間認知)ができる直感的なHMI(Human Machine Interface)で表示します。
・ドライバーが認知ミスをして衝突する危険があるときに、警報によりドライバーにブレーキ操作を促します。
広島における世界初*1の路面電車-自動車間通信型ASVの走行実験(2013年)
ITS世界会議東京2013のポストコングレスツアーの一つとして、東京大学/マツダ/広島電鉄/交通安全環境研究所の4者共同研究体で、世界初の路面電車-自動車間通信+自律安全技術の公道実証実験を実施しました。
広島市では、路面電車が市民の足として定着しており、一日平均約15万人の利用があります。
実験では、路面電車と自動車、歩行者が道路空間を共有する場所において、路面電車と自動車の間で相互に接近情報を交換することで、右折時や停止車両追い越し時の接触事故の未然防止に有効であることと、スマートフォンのアプリケーションシステムとの連携で、ドライバーからは見えにくい位置にいる歩行者を事前に検知し交通事故防止に有効であることが確認できました。
実証実験の例
画像提供:独立行政法人 交通安全環境研究所