電気自動車
走る歓びを大切にした、マツダらしい電気自動車
「すべてのお客様に“走る歓び”と“優れた環境・安全性能”をお届けする」ことを目指し、電気自動車(EV)を開発しました。それが、マツダらしい軽快な走りの楽しさと、EVとして十分な航続距離200km※を高いレベルで両立したデミオEVです。2012年から、日本国内の地方自治体や企業向けにリース販売されています。
※ JC08モード、社内測定値
走行中のCO2排出量ゼロ、EVのメカニズム
エンジンや燃料タンクを持たず、バッテリーやモーターなどを使って電気で動くEVは、ガソリンなどの燃料を必要としないため、走行中のCO2排出量はゼロ。それを実現する主なメカニズムをご紹介します。
1.リチウムイオンバッテリー
レイアウトの自由度やエネルギー密度の高いバッテリーセルを採用し、コンパクトなバッテリーパックを実現しています。
種類 | リチウムイオン電池 |
総電力量 | 20kWh |
総電圧 | 346V |
体積 | 約160L |
2.モーター
独自の巻線切り替え式の永久磁石型三相交流同期モーターを採用し、力強い発進・加速と、高速域での伸びやかな加速感を実現しています。
減速時には発電機として使用し、減速エネルギーを回生します。
最大トルク | 150N・m<15.3kgf・m>/0~2,800rpm |
最高出力 | 75kW<102PS>/5,200~12,000rpm |
最高回転数 | 12,000rpm |
3.インバーター
回転数や走行状況に応じてバッテリーからの電流・電圧を調整し、モーター出力を制御します。減速回生時には、モーターで発電した電力をバッテリーへ送ります。
特長1 EVでも軽快な走りを楽しめる、優れた走行性能
「走る歓び」を追い求めるマツダでは、EVでもお客様に走りを楽しんでいただきたいと考えています。デミオEVではマツダの独自技術を駆使し、加速性能・ハンドリング・乗り心地のすべてを高いレベルで実現しました。
EVの特長を活かした、気持ちよい加速
モーターからの出力によって動くEVは、加速感を緻密にコントロールすることができます。デミオEVではその特長を活かし、エンジン搭載車とは一味違う、EVならではの気持ちよい加速を造り上げました。
1.アクセルペダルを踏み込んで発進する際にも飛び出し感や遅れのない、自然な発進フィール
2.アクセルペダルの踏み込みとともに高まっていく、リニアな加速度変化
3.緩やかな加速度変化による、滑らかな加速
独自採用の巻線切り替え式モーター
デミオEVには、回転数に応じて巻線を切り替え、ひとつのモーターで高回転と高トルクを実現する巻線切り替え式のモーターを採用しています。これにより、一般的なモーターでは両立できない、発進加速の力強さと高速域での伸びやかな加速感を実現しました。
マツダらしい軽快なハンドリングと上質な乗り心地、
そしてEVならではの高い静粛性
EV独自のバッテリーパックを車両中心付近の低い位置にレイアウトすることで、前後の重量配分を最適化。気持ちよく軽快なハンドリングと安定感の高い上質な乗り心地を両立し、マツダならではの走りの楽しさを実現しています。さらに、エンジン音がないことによる圧倒的な静粛性の高さも、EVの大きな特長のひとつです。
特長2 高い実用性を発揮する、J08モード200kmの航続距離
デミオEVは、25km/L(※1)の低燃費を実現したマツダ デミオが持つ低燃費技術に、効率的な電気制御技術を組み合わせ、クラス(※2)トップレベルの交流電力消費率100Wh/km(※3)を達成し、航続距離JC08モード200km(※3)を実現しました。
※1 発売時点(2011年6月)におけるJC08モード燃費
※2 2012年9月現在、日本国内で販売されているEV(マツダ調べ)
※3 社内測定値。交流電力量消費率および一充電走行距離は定められた試験条件での値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて値は異なります。
シンプルかつ効率的な減速エネルギー回生システム
ブレーキの踏み込み量とアクセル開度の状態から、モーターの回生量を最適に制御する減速エネルギー回生システムを採用しています。アクセルを離したときには、エンジンブレーキに相当する減速度を発揮しつつ、エネルギーを回生。ブレーキを踏み込んだ際は、通常の摩擦ブレーキによる減速とペダルの踏み込み量に応じた回生を同時に行います。デミオEVではシンプルなシステムながらも、効率よく減速エネルギーを回生するとともに、違和感のないブレーキフィールを実現しています。
徹底して軽量化した電気駆動ユニット
一般的にはEV化すると車両重量が増えてしまいがちですが、走りを大切にしたマツダEVでは、バッテリーパックケースの素材にアルミを使用するなど、細部に至るまで軽量化にこだわりました。その結果、車両重量はベース車比で190kgの増加に抑え、EVとしては軽量な1,180kgを達成しています。
EVならではの機能
EVの特長は、バッテリーやモーターといった、クルマを走らせるためのメカニズムだけではありません。2つの方式に対応する充電機能や、100Vの電気を取り出す給電システムなど、電気を使うEVならではの機能を備えています。
前後に備えた2つの充電口
デミオEVはフロントに急速充電口、リアに普通充電口を備え、CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電や200Vの普通充電に対応しています。
急速充電:
CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電システムを使用すれば、残量警告点滅状態からでも、約40分で80%まで充電することができます。
(出力50kWの急速充電システム使用時)
普通充電:
200V充電ケーブルを使用して、家庭用電気機器と同じような感覚で充電でき、残量警告点滅状態から約8時間で充電を完了します。さらに、遠隔操作での充電予約・開始・停止が可能な「リモート充電モード」、決められた時間に充電する「タイマー充電モード」などにも対応しています。
野外での電源としても使える100V給電システム
デミオEVには、リアトランク下部に100V給電システムを設定しています(メーカーオプション)。バッテリーから100V・最大1,500Wの電力を家庭用電気機器などに供給します。このシステムを使えば、災害時や野外イベントなどでも電源として便利に使うことができます。
クルマから離れていても操作ができるITサポートシステム
デミオEVは、パソコンやスマートフォンなどからインターネットを介して以下の操作が行えます。
・リモート充電予約・開始・停止操作
・リモートエアコン予約・開始・停止操作
・リモート操作開始/終了のメール通知
・バッテリーの状態チェック
歩行者に配慮した車両接近通報装置
エンジンを持たないEVは走行音が小さいため、歩行者にクルマの接近を知らせる車両接近通報装置を装備しています。25km/h以下の走行時、車速に応じてエンジンルーム内のスピーカーから疑似走行音を発生します。
主要諸元
車名・型式 | デミオEV・DBA-DE3FS改 | |
駆動方式 | FF | |
乗車定員 | 5人 | |
寸法・重量 | 全長 | 3,900mm |
全幅※ | 1,695mm | |
全高※ | 1,490mm | |
ホイールベース※ | 2,490mm | |
トレッド(前/後)※ | 1,485mm/1,475mm | |
最低地上高※ | 140mm | |
室内長※ | 1,815mm | |
室内幅※ | 1,425mm | |
室内高※ | 1,220mm | |
車両重量※ | 1,180kg | |
性能 | 最小回転半径※ | 4.7m |
交流電力量消費率(JC08モード)※ | 100Wh/km | |
一充電走行距離(JC08モード)※ | 200km | |
駆動用バッテリー | 種類 | リチウムイオン電池 |
総電圧※ | 346V | |
総電力量※ | 20kWh | |
原動機 | 種類 | 永久磁石型三相交流同期モーター |
最高出力※ | 75kW<102PS>/5,200~12,000rpm | |
最大トルク※ | 150N・m<15.3kgf・m>/0~2,800rpm | |
動力伝達装置 | 最終減速比※ | 9.704 |
走行装置 | ステアリング形式 | ラック&ピニオン式 |
サスペンション形式(前/後) | マクファーソンストラット式/トーションビーム式 | |
主ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング式ドラム | |
タイヤサイズ(前/後) | 175/65R14 82S |
※ 社内測定値