SKYACTIV TECHNOLOGY

SKYACTIV TECHNOLOGY

SKYACTIV-D

世界一の低圧縮比(14.0)を実現した新世代高効率クリーンディーゼルエンジン

SKYACTIV-D(スカイアクティブ ディー)の特長

・低圧縮比(14.0)により、従来比約20%の燃費改善
・2ステージターボチャージャーの採用により、低速から高速までスムーズでリニアなレスポンスと低速域の大幅なトルク向上を実現(最大回転数5,200rpm)
・高価なNOx後処理なしで日欧の排出ガス規制をクリア(欧州:Euro6、日本:ポスト新長期規制)

NOx(窒素酸化物)やススの発生要因

ディーゼルエンジンは一般的に圧縮比が高いため、ピストン上死点における圧縮温度・圧力が非常に高くなっています。この状態で燃料が噴射された場合、適切な混合気が形成される前に着火し、局所的で不均一な燃焼が起こってしまうため、NOx生成や、酸素不足部の燃焼によるススの発生を招いてしまいます(図1)。このため、近年の厳しい排出ガス規制の下では、最適な効率が得られるピストン上死点付近での燃焼が困難となり、燃費悪化を招きながらもピストンが下降し圧力と温度が下がるのを待ってから燃焼させざるを得なくなっていました。

図1:圧縮比別ディーゼルの燃焼

低圧縮比化によるメリット

図2:低圧縮比化による実質の高膨張比化

低圧縮比化による燃焼タイミングの最適化

圧縮比を下げた場合は、ピストン上死点における圧縮温度・圧力は低くなります。従って、上死点付近で燃料を噴射しても着火までの時間が長くなるため、燃料と空気の混合が促進されます。この結果、より均質な燃焼となり局所的高温や酸素不足が回避され、NOxやススの発生量は少なくなります。また上死点付近での噴射と燃焼が可能であるため、実質の仕事量(膨張比)は高圧縮比ディーゼルエンジンよりも大きくとれて高効率となります(図2)。

図3:低圧縮比化の効果(機械抵抗)

低圧縮比化による軽量化と機械抵抗低減

低圧縮比化によって、SKYACTIV-Dは従来のディーゼルエンジンより最大筒内燃焼圧力が下がり、構造の最適化によって大幅な軽量化を実現しています。具体的な実例で紹介しますと、シリンダーブロックはアルミ化が可能となり単体で従来比25kgの軽量化を達成しています。シリンダーヘッドは肉厚低減、エキゾースト・マニホールド一体構造によって3kgの軽量化を達成しています。往復回転系では、ピストン単体重量を25%低減しました。

クランクシャフトはメインジャーナル径を60mmから52mmにサイズダウンするなどして、25%の軽量化を達成しました。この結果、機械抵抗も大幅に低減できガソリンエンジン並を実現しています(図3)。

以上のようなメリットにも関わらず、従来、ディーゼルエンジンの低圧縮比化が進まなかった要因は主に2点あります。1点目は、圧縮時の空気温度を低下させると、低温時の圧縮温度が下がりすぎることにより始動性に問題が生じることです。2点目は、暖機運転中の圧縮温度・圧力不足により半失火が発生してしまうことです。

低温始動性の確保と暖機運転中の半失火の抑制

マルチホールピエゾインジェクターによる可燃混合気の生成

新たに採用したマルチホールピエゾインジェクターにより燃料の噴射パターンを多彩化し、噴射量とタイミングを精密化することで混合気の濃度制御の精度が上がり、低温時始動性を確保しました。ハードウェアの能力としては1燃焼あたり最大で9回の噴射が可能な高性能タイプです。プリ、メイン、アフターの3回噴射を基本に、走行条件に応じて多彩な噴射パターンを実現します。この緻密な噴射制御とセラミックグロープラグにより、低圧縮比でも確実な始動を可能にしました。

図4:可変バルブリフト機構

排気VVLの採用による暖機中の空気温度上昇

排気側バルブにVVL(Variable Valve Lift:可変バルブリフト機構(図4))を採用することで、始動後の暖機運転中に起こりうる半失火状態を抑制しました。一度燃焼が起これば排気ガス温度は高温になります。そこで、吸入行程中にわずかに排気バルブを開き、排気ポート内の高温の残留ガスをシリンダー内に逆流させることで空気温度を高めて圧縮時の温度上昇を促進し、着火の安定性を向上させています。

2ステージターボチャージャーによるトルク向上、排気ガスのクリーン化、燃費改善

ディーゼルエンジンにおけるターボチャージャーは、トルクの向上にも大きく寄与していることは言うまでもありませんが、排気ガスクリーン化と燃費改善にも必要不可欠なものとなっています。SKYACTIV-Dでは、大小2個のターボチャージャーを運転領域によって使い分ける2ステージターボチャージャーを採用しています。

これによって、低回転域での高トルク、高レスポンス、高回転域での高出力を実現すると共に、大量EGR(排気ガス再循環)下でも十分な量の空気(酸素)を確保することが可能となり、低圧縮比との相乗効果によりNOxとススの排出を抑えながら最適なタイミングでの燃焼を可能にしています。

図5:2ステージターボチャージャー

トランスミッション

プラットフォーム

SKYACTIV TECHNOLOGYのさらに詳しい技術情報について

マツダ技報にて、SKYACTIV TECHNOLOGYなど各種研究開発の成果を論文形式で紹介しています。各論文はPDFファイルで閲覧・ダウンロードできます。

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※各技術の適用および数値は、車種・グレード・仕様などにより異なります。

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