環境技術

自動車リサイクルの推進

世界初の技術で、廃車バンパーまで新車用にリサイクル

マツダは、自動車の樹脂部品のリサイクルに積極的に取り組んでいます。とりわけ大型の樹脂部品であるバンパーのリサイクルに注力し、損傷バンパーはもちろん、廃車バンパーまで再びバンパーの素材として利用する「パンパーtoバンパーリサイクル」技術を実用化しています。

世界初の技術で、廃車バンパーまで新車用にリサイクル

廃車バンパーから新車バンパーへのリサイクル


マツダは、廃棄処分された使用済み自動車のバンパー(廃車バンパー)を新車バンパーの材料としてリサイクルする技術を世界で初めて(※1)実用化し、2011年よりビアンテのリアバンパー用として使用を開始しました。

すでに、損傷バンパーから新車バンパーへのリサイクルは実現していましたが、廃車バンパーは製造から10年以上経過したものも多く、塗膜との密着性や素材の組成にバラつきがあることや、金属片などの除去にコストがかかることなどから、技術的にも経済的にも新車バンパーへのリサイクルは困難でした。

しかしマツダは、リサイクルしやすい設計の廃車の増加に伴うバンパー解体技術の効率化を背景に、関連の企業とも協力して廃車バンパーの効率的な回収・加工のしくみを構築。再生にかかる費用を抑え、新材以下の価格での再生利用を可能としました。

※1 2011年8月現在 マツダ調べ

塗膜除去プロセスの開発


マツダは環境問題への対応、及び資源の有効利用の観点から市場損傷バンパーの回収、再利用を実施しています。1992年より、業界でいち早く回収・再利用を開始(アンダーカバー等に適用)、2001年には、機械的物性低下の原因となる塗膜を除去してバンパー補強材等への適用を開始しました。更に、通常の新車バンパーに適用するには、塗装外観を確保するため、更に塗膜除去レベルを向上させる必要がありました。マツダでは、このバンパーへ適用可能なレベルに塗膜を除去するプロセスを開発しました。

塗膜除去プロセスの開発

塗膜除去率の目標設定


従来のプロセスで塗膜除去した再生材の塗膜除去率は98.50%で、塗膜の残存率は1.50%でした。この再生材を30%新材に混入した場合は、塗装の外観基準を満足しませんでしたが、新材への再生材混入率を徐々に下げていくと、再生材混入率3%で塗装外観基準を満足しました。再生材の混入目標を30%とすると、塗膜の残存率は現在の1.50%から1/10の0.15%にする必要があり、塗膜除去率は99.85%以上を目標としました。

塗膜除去率向上のための着眼点


バンパー粉砕後に従来の塗膜除去プロセスで処理した粉砕品について、塗膜除去レベルを詳細に観察したところ、ほとんどの粉砕品に塗膜は見られず、一部の粉砕品のみに塗膜が残存していることが明らかになりました。86%には全く塗膜がなく、残りの14%の粉砕品に塗膜が確認されました。
このことにより、仮に10mm2以上の面積の残存塗膜が付着した粉砕品のみを選別して、除去できれば、塗膜除去率を向上させた再生材を高い収率で得ることが可能であると考えました。なお、ここでの収率は(塗膜なしとして選別された粉砕品数/全粉砕品数×100)と定義します。

従来プロセスで処理した粉砕品の残存塗膜面積と、その比率
従来プロセスで処理した粉砕品の残存塗膜面積と、その比率

選別メカニズム


バンパー粉砕後に塗膜剥離処理した粉砕品を、選別機のホッパーに投入し、シューターを通過後、所定の位置で光とCCDセンサにより、粉砕品を認識します。この時、粉砕品に塗膜が付いていると、その色は粉砕品(黒色)よりも強い反射強度を放出するため、これを検知し、その直後に噴射ノズルにより、選別・除去するものです。
この選別機により処理された粉砕品の塗膜除去率の平均値は、従来の98.50%から99.85%に向上することが可能となりました。

選別メカニズム