RX-7

RX-7(1978年~)

第2章:開発の軌跡 FC/13B Rotary [1985~91]

ゼロからの発進。純粋なスポーツカーに追い求めたもの。

1978年から7年半にわたり生産を続けた初代〈RX-7〉は、日本はもとよりアメリカでも確固たる地位を築いていた。そこで2代目に求められたのは、初代の築き上げた名声を高めつつ、さらに純粋なスポーツカーとして進化を遂げることだった。この方針は、実は初代が誕生した1年半ほど後には考えられていたことである。
開発は、「スポーツカーとは何か?」という基本テーマを、ゼロベースに立ち返って考え、まとめていく作業となった。『スポーツカー研究会』を立ち上げ、自動車の歴史を振り返ることなどをしながら、2代目としての計画原案を固めていった。

当時の開発メンバーの一人は、こう語っている。
「参考になるものならば、どんなクルマでも肌で感じられるところまで乗りました」
背景にあったのは、当面のライバルばかりを見ていてはいけないということだった。自動車発祥から120年の歴史において、高性能車の誕生やモータースポーツの発生は、より速くという欲求と、他の誰よりも速くという競争心によった。そこからスポーツカーという車種が生まれてくる。

初代〈RX-7〉のSA22C型にこだわることなく、2代目では未来へ通じる新しい価値観を創造すること。クルマ社会に逆風の吹くなか誕生した初代が存在することではじめて取り組むことのできる、スポーツカーという価値の定着を目指した新たなる開発であった。

意思統一は、「心地よい緊張感が感じられるクルマ」

時代とともに、あらゆる価値は変貌していく。そのことは、スポーツカーにも当てはまる。しかし、スポーツカー開発の場合、技術が養われていなければ、目標達成はあやうい。
「旧いスポーツカーは、実際のスピードが遅くても、それを操るときに、乗って興奮できるところがあった。だから、スポーツカーの魅力を実感できたのではないか」
『スポーツカー研究会』の一人は、こう語っている。
それであるなら、ドライバーが感性で乗る領域をスポーツカーは十分に残しておく必要がある。なおかつ、それは限界の高いところに設定しておかなければ、すぐ飽きられてしまうだろう。スポーツカーである以上、ただ単に直進安定性がよくて速いだけでなく、運転に「心地よい緊張感」が存在することが重要なのだ。
こうした意思統一をしていくことが、2代目〈RX-7〉の開発では重要だった。

新開発13Bターボを搭載。さらにスポーツ色を強めた2代目。

真のスポーツカー像を求め、開発の意思統一をはかった2代目のサバンナRX-7(FC3S)は、1985年10月に発売となった。より高次元のスポーツカーへ進化したのは言うまでもない。
車体表面の突起を減らし、幅広い偏平タイヤを収めるブリスターフェンダーを持った張りのあるスタイルは、初代の小型・軽量からイメージを一新する重厚さを加えていた。車体は、全長こそ少し短くなっているが、幅と高さは増え、厚みのあるスタイルとなった。

エンジンは、従来の12A型から13B型へ変更となっている。エンジン排気量654cc×2の2ローターロータリー13B型エンジンは、空冷インタークーラー付ツインスクロールターボチャージャーを装備し、馬力は駆動系を経て実際に走りにつながるネット表示の185psとなった。そして、GTのパワー・ウェイト・レシオは、6.54kg/psである。
前後重量配分は、50.5対49.5で、フロント・ミッドシップの思想を継承し、走りにいっそうの磨きを掛けた。

サスペンションは、フロントがストラット式だが、リアは初代のリジッドから、ラテラルロッド付のセミトレーリングアームという独立式に変更した。このリアサスペンションには、『トー・コントロール・ハブ』を採用することにより、4輪操舵(4WS)の技術を応用している。

よりスパルタンな2座席仕様、アンフィニを限定発売。

2代目〈RX-7〉発売の翌86年8月に、特別仕様車の∞(アンフィニ)を、300台の限定で発売した。
∞(アンフィニ)は、〈RX-7〉としてはじめての2座席仕様であり、BBS社製の鍛造アルミホイール、専用ダンパー、アルミ製ボンネットフードなどを装備して、純粋なスポーツ色をより強めた。
この∞(アンフィニ)シリーズは、その後、小変更を行いながら、91年まで6回の限定販売を行っている。

また、新しい車種追加として、87年8月には、ロータリーエンジン車販売20周年を記念して、カブリオレを追加した。屋根は、そのときの気分に応じて、フルオープン、タルガトップ、クローズドから選ぶことができる、手の込んだ仕組みになっている。そして座席後方には、オープンの際に風の巻き込みを抑えるエアロボードを備えていた。

89年のマイナーチェンジでは、エンジンの圧縮比を高め、ターボチャージャーの改良を行い、インディペンデント・ツインスクロールターボを採用して、205psへ馬力向上させた。同時に、エンジン各部についてもローターやフライホイールの軽量化により、アクセル操作への反応を改善している。これらの性能向上により、パワー・ウェイト・レシオは5.72kg/psに到達した。外観上は、テールランプを丸型のデザインにすることにより、迫力の増した後姿とした。

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