「Mazda Design クルマはアート」

MILAN DESIGN WEEK 2015

Art into Life

マツダデザインは2010年デザインの本場ミラノにて『魂動 Soul of motion』を発表し、
2013年にはミラノデザインウイークに初出展し日本の美意識を用いて『魂動デザインの源』を紹介してきました。

そして今年、魂動デザインによる最新モデルCX-3/MX-5と、
それらの世界観を表現したアートピースによる『魂動デザインの奥行』を示す展示を、
同じくミラノデザインウィークにて行いました。

我々は生命感に満ちた動きの表現を磨き上げ、更に自らのオリジナリティを突き詰めていく中で、
その研ぎ澄まされた美しさに日本の美を重ねるようになりました。
古来日本のものづくりでは無駄な要素を極力そぎ落とした、シンプルな造形が尊ばれてきました。
しかしそのシンプルさには、緊張感に満ちた凛とした佇まいとともに、人の手の温もりや仄かな色気が備わっているのです。

この研ぎ澄まされた品格「凜(りん)」と情念に訴えかける色気「艶(えん)」、
その相反する感覚の調和は、欧米の文化とは異なる日本独自のエレガンスのあり方であり、マツダデザインが追求する美の表現です。

この日本の美意識、凛と艶を表現したアートピースの数々。
ギャラリーをご用意致しましたので、ぜひごゆっくり御覧ください。


Bike by KODO concept

自転車本来の美しさを追求した、必要最小限のパーツしか持たないこのトラックレーサーは、研ぎ澄まされたシンプルさのなかにMX-5のスタイリングに通じる躍動感を純粋に表現したデザイン。全体のフォルムは乗り手がゴールラインに向かって全力疾走するときの強い前進感を表し、艶やかなレッドのメインフレームには魂動特有の生命感が漲っています。フレームはマツダの職人が一枚の鉄板から丹念に叩き出して造形、またサドルには手縫いの革を用いて、MX-5と同じ意匠のステッチをあしらいました。黒を基調としながら、サドルの裏側やハンドルバーの内側に見え隠れする色鮮やかなレッドが、日本のエレガンスを物語ります。

Bike by KODO concept

Sofa by KODO concept

この作品はマツダヨーロッパのデザイナーとミラノ在住の日本人クリエイティブディレクターSetsu & Shinobu Ito、そしてミラノの家具職人が、魂動哲学のもとに協働して生み出されたもの。マツダデザインの持つ研ぎ澄まされた感性と、ヨーロッパの長い伝統に裏打ちされた上質なぬくもりを生むクラフトマンシップが融合しています。マツダ車に共通する力強いスタンスを持つソファは、美しく磨き上げられたアルミのフレームを前面・背面に配置することで凛とした緊張感を醸しつつ、背面にだけ鮮やかな赤色を差して、見えないところにこそ美を追究する日本独特の「艶」表現を採り入れています。このソファと一対になったテーブルは、翼のように広がったフォルムのウッドフレームに、重厚なガラスの天板を渡し、マツダ車のファミリーフェイス「シグネチャーウイング」を想わせるメタルモールをあしらいソファとの精妙なコントラストを創りだしています。

Sofa by KODO concept


コラボレーションアート

マツダデザインの魂動哲学に共感する伝統工芸のアーティストたちの、卓越した手わざによる逸品です。

玉川堂による鎚起銅器『魂銅器』

玉川堂による鎚起銅器『魂銅器』

日本の名高い金属加工産地燕市を本拠とする玉川堂は、一枚の銅板を職人が鎚で繰り返し叩きながら成形して様々な器を一つひとつ手造りする、200年の歴史を誇る工房です。玉川堂の匠たちは、本来鉄の箱であるクルマに命を与える魂動の哲学を、彼らが培ってきた「魂をこめて銅を叩くことで理想の形を創り上げる」という創作精神に限りなく近いものと受け止めました。そこで、かつて銅の板材がなかった時代の技術を再現させ、自らの集中力と瞬発力に身を委ね、銅の塊を無心で叩き、自然にできあがったフォルムが今回の作品『魂銅器』です。銅の表面に焼き付けた錫と天然素材の薬液との化学反応による独特の着色技法と、揺らぎと動きを感じさせる鎚目のパターンが、まさに魂動哲学との出逢いが生んだダイナミックな美を完成させています。

金城一国斎作 卵殻彫漆箱『白糸』

英語で漆器をjapanと呼ぶほど、世界に知られた日本の漆芸。広島の地で独自の技法を打ち立てた金城一国斎の系譜を継ぐ七代目が、魂動デザインの持つ力強い生命感に感銘を受けて挑んだのは、水・光・風といった自然の営みや豊かさが生き生きと感じられる「白糸の滝」の意匠でした。大切な品を納める箱の、深い青地の蓋の側面にほとばしる清々しい水の流れは、細かく砕いた卵の殻を一つひとつ貼り込むという緻密な作業を数え切れないほど繰り返したもの。その上に微妙に色の異なる漆を塗り重ね、丹念に研ぎ出すことで卵殻の繊細な模様と色漆の濃淡を彫り浮べる「彫漆」技法によって、精緻なディテールによる凛とした雰囲気と磨き上げられた漆の映り込みの艶やかさを実現。静けさのなかを流れ落ちる滝の軽やかな水音が聞こえてくるような、みずみずしい生命感が躍動しています。

金城一国斎作 卵殻彫漆箱『白糸』