CSR

【特集2】

お客さまとの間に特別な絆を持ったブランドへ〜マツダのブランド価値向上の取り組み〜

ブランド価値経営のさらなる推進

マツダグループは、お客さまをはじめとする幅広いステークホルダーの皆さまとの対話を大切にしながら、商品および企業のブランド価値向上を目指す取り組みを進めています。ステークホルダーの皆さまから信頼され支持していただくことを通して、ビジネスを成長させ企業価値を高めるという考え方を「ブランド価値経営」と呼び2013年より本格的に推進しています。

お客さまと特別な絆を持つブランドへ

マツダグループは、2017年3月期より開始した新中期経営計画「構造改革ステージ2」において、ブランド価値向上のための主要施策の1つとして「グローバル販売・ネットワーク強化」を掲げています。クルマを販売している130以上の国と地域において、お客さまと特別な絆を築くことを目指し、お客さまのブランド体験向上に重点を置いた現場改革を推進しています。

従来のコミュニケーションからの深化

2002年、“Zoom-Zoom(ズーム・ズーム)"というブランドスローガンを全世界で発信し、スポーティーな商品ラインアップとの相乗効果で、現在につながるマツダのブランドイメージを形成することができました。Zoom-Zoomとは「創造性と革新性で、子どものときに感じた動くことへの感動を愛し続ける人々に『心ときめくドライビング体験』を提供したい」というマツダの思いを示した言葉です。しかし、それは当初マーケティング上のコミュニケーション戦略にとどまる傾向にあり、お客さまとの絆を築くという視点で販売会社、販売店において具体的な日々の行動につなげていくためには、取り組みを深化させる必要がありました。

特別な絆を築くために必要な三つの視点

特別な絆を築くためには、お客さまとの全ての接点、つまりお客さまがマツダ車を保有している間だけでなく、購入前、さらにクルマを手放した後も視野に入れる必要があると考え、販売・マーケティング・カスタマーサービスなどの関係部門合同で検討チームを立ち上げました。チームで意見交換を繰り返した結果、取り組むべき3つの視点をまとめました。
1つ目の視点は、お客さまの人生に寄り添うこと。幼い時は家族が運転する車に乗り、やがて自らカーライフを楽しみ、高齢となっても誰かに乗せてもらうクルマ。その長い歳月、マツダとマツダ車を身近に感じ続けていただくことです。2つ目は、いつもワクワクする発見や刺激を提供し、お客さまが時間の経過とともにマツダとの絆をより強く感じていただけるような関係性を継続的に保つこと。そして3つ目は、「マツダだからできる」「マツダならでは」という視点にこだわること。例えば、本社のある広島へのこだわり、走る歓びにかける想いなどがそれに当たります。

お客さまとの全ての接点

お客さまとの全ての接点

戦略を共有しつつ各国・各地域の文化を尊重

3つの視点を販売現場の人により深く理解・共感いただくため、国内・海外の販売会社※1のメンバーにマツダ本社や工場を訪れてもらう機会を数多く設けました。マツダ車共通の考え方・こだわりへの理解を深めるとともに、マツダ車を通してお客さまに提供しようとする共通のブランド価値を訴え続け、徐々に認識を高めていきました。
本社から3つの視点の方向性を示し理解・共感いただいた後の具体的な施策は、地域性をよく知る販売の現場に委ねます。その国の文化や慣習に適したきめ細かな対応をするため、また、お客さまのニーズや考え方を理解・尊重するためです。マツダグループは規模が大きいとは言えませんが、そのため、各国・各地域との連携がとりやすく、また地域ごとの優れた事例などをグループ全体で共有することが可能です。

※1 海外ではディストリビューター・ディーラーを指す。

各地・各国の文化や慣習に適したブランドコミュニケーションのスローガン(2015年7月現在)

各地・各国の文化や慣習に適したブランドコミュニケーションのスローガン(2016年7月現在)

共に価値を創造する「共創」で「絆」をつくる

「ブランド価値経営」に対する一貫した想いがマツダ本社において部門を超えた協業を生み、次第にグループ全体へと浸透する体制が整い始め、さらには、さまざまな対話から得た知見をもとにした「新たな価値の創造」、言い換えると「共創」の風土ができつつあります。「共創」活動を通じてマツダグループは、お客さま一人ひとりの豊かな人生につながるようなカーライフを提供し、その結果、お客さまとの「特別な絆」を築くことができると考えています。

お客さまとの対話風景(2015年東京モーターショー)

お客さまとの特別な絆
~対話風景(東京モーターショー2015)~

お客さまとの一つひとつの対話がやがて固い絆に

貫名 洋次

グローバル販売&マーケティング本部
ブランド戦略部長
貫名 洋次

お客さまとの絆づくりのための社内の変化

お客さまにマツダの商品や企業への愛着を高めていただくことを通じて、お客さまとの特別な絆を築くことを目指しています。マツダ車に関わる全ての関係者が同じ目標を共有し、人・商品・価格・機会・販売促進という5つの領域でブランド体験を提供できる施策を一貫して行っています。一貫性をもった取り組みが進んでいる背景には2013年にトップマネジメントチームが「ブランド価値経営の推進」を宣言し、それをテーマに研修や対話を繰り返し、大切にすべき考え方がマツダグループ内に根付き始めたからでしょう。従来は、マツダ本社内においても部門が異なると同じ視点で施策を進める機会は必ずしも多くなかったと感じています。その状況が「ブランド価値経営」推進により打破され、開発・生産・マーケティング・販売・カスタマーサービスなどの各部門が連携し「共創」を目指す体制が整いつつあります。

これまでも各部門が「共創」の必要性を感じていたものの、なかなか実現できずにいたのだと思います。その中で、目指すべき方向がトップマネジメントから示され目の前がパッと開けたのではないでしょうか。

関係者がそれぞれの課題を出し合い、共に解決策を考える中で小さいながらも成功事例を積み重ねることを通じて、私たちは共創の重要性を認識しつつあると感じています。

地道な活動がやがて大きな成果となっていく

国内・海外の販売会社向けイベントについて、これまではマツダ本社のマーケティング・販売部門中心に企画・実施していましたが、現在では、マツダ本社の開発やデザイン、生産技術などのつくり手の担当者にも参加してもらっています。実際のクルマ作りに直接携わったメンバーが商品への想いを語り、その想いを受けとめた各販売会社のリーダーが会社に持ち帰り、社内に伝えていくというもので、マツダ本社と販売会社の「共創」のための対話の場にもなっています。東京モーターショー2015※2では、一般のお客さまと開発担当者との対話をテーマとしたイベントを企画し、社内外で大きな反響を得ることができました。この対話をマツダグループがお客さまとの「共創」を実現するための貴重な対話の機会として捉え、現在、ジュネーブ、ニューヨーク、北京などの海外モーターショーにおいても同様の企画を推進中です。ファンづくりは、一朝一夕でできることではありません。このような対話を通じた地道な活動こそが、やがて世界中のたくさんのお客さまとの絆づくりにつながると信じて取り組んでいきます。

※2 2015年10月30日〜11月8日。


TOPICS 1

顔の見えるブランドへの挑戦
[東京モーターショー2015]

東京モーターショー2015ではトークセッションや講演など来場者との直接対話の機会を設定。さらに、マツダブースでは華やかなコンパニオンではなく開発担当者が中心となった対応を行いました。ご質問に対して「つくり手」の思いを交えながら丁寧にお答えすることを重視し、例えば20年来ロードスター(海外名:MX-5)をご愛顧いただいている方に対しては、展示している新型車の説明に加え、現在お持ちのクルマに乗り続けていただく場合のメンテナンス方法を説明。来場者のSNS投稿により大きな反響を得ることができました。



TOPICS 2

世界中に直接届ける、開発への想い
[共創会:海外拠点・ディストリビューターとの絆]

新商品の発売前に、開発、デザイン、生産担当などが海外へ赴き、新商品を紹介する場を設定。作り手と販売会社関係者が意見交換を行い市場導入の進め方を共に検討します。つくり手が目の前でプレゼンテーションを行うことで、マツダ車について商品の特色とともに商品に込められた思いをお客さまに伝えることができる販売スタッフの育成につながっています。また、本社従業員は、販売会社の方々の熱意に直接触れ、つくることへの誇りと責任をあらためて強く認識する大切な機会となっています。


お客さまの人生に関わり続けるマツダを目指して

「お客さまにブランド体験を提供する」サービスを追求

カスタマーサービス部門の業務は、整備の知識・技術のプロフェッショナルとして、お客さまに安全・安心な保有体験を提供することです。従来は、クルマを購入された後の修理・メンテナンス業務などを確実に遂行できるよう、整備スタッフの人材育成、わかりやすい整備解説書の制作などを徹底的に進めてきました。

しかしながら、「ブランド価値経営」を進める中で、販売・マーケティングなどの関連部門と協力し「お客さまにどのようなブランド体験を提供するか」という視点で検討を進めることにより、さまざまな気づきがありました。

例えば、サービス(整備・修理)のスタッフが修理をするとき。「単にクルマを直す」と考えるのか、「ブランド体験を提供する一つの機会としてクルマを直す」のか、それによって整備の質はもちろん、お客さまとのコミュニケーションも変わるだろうと気づきました。

その気づきがきっかけとなり、新車導入時の販売会社に対する商品教育の対象者を、従来の販売担当に加えサービス担当にまで広げつつあります。サービス担当者が整備作業の内容説明だけではなく、お客さまの愛車の構造や乗り味の解説、さらには開発者の思いの紹介などを語ることができれば、お客さまにより喜んでいただけるのではないかと考えています。

お客さまとの接点を大切にする風土づくり、人づくり

サービスの現場以外にも新しい取り組みが進んでいます。その一つの事例が取扱説明書の電子化です。分厚くて文字の多い取扱説明書をさらにわかりやすいものにし、「もっと安心・安全に車を使っていただきたい」「多機能化する装備を十分活用していただきたい」という想いから、国内において各種の端末から利用可能な電子取扱説明書を開発しました。

マツダはコーポレートビジョンで「カーライフを通じて人生の輝きを人々に提供する」ことを掲げています。カスタマーサービスの領域は商品や広告などと異なり見える形でメッセージを伝えることが難しいため、お客さまとの日々の一つひとつの接点の中で「絆」を育むことがより重要となります。

今後も、この重要性をサービス関係者一人ひとりが理解し、お客さまとの接点を大切にできるような風土づくり、人づくりを着実に進めていきます。

南 智巳

カスタマーサービス本部 主幹
南 智己


TOPICS 3

お客さま対応力を含めた技術力の向上を追求
[サービス技術大会]

サービスエンジニアの技術とお客さまへの対応力を競うサービス技術大会は、質の高いサービスが求められる中、その技術力向上のための絶好の機会となっています。2015年から2016年夏にかけて、北米、中南米、アジア&オセアニアなどの世界各地で地域大会を開催。そして2017年には各地域大会の優勝チームが集い、マツダグループ内で世界一のサービスエンジニアを決める世界大会を開催します。



TOPICS 4

マツダ車を身近に感じていただくために
[電子取扱説明書]

お客さまが「直感的に探せる」をコンセプトに開発されたロードスターの電子取扱説明書。外観/内装画像を360度回転させて知りたい場所が選べるビジュアル検索、運転・操作場面などのシーン別検索、“屋根・やね”と入力して検索すると“ソフトトップ”が表示されるキーワード検索などの機能を装備し好評を得ており、日本マニュアルコンテスト2015において「マニュアルオブザイヤー2015」を含む4つの賞を受賞しています。