CSR

【特集1】

地球や社会と永続的に共存するクルマの追求〜『走る歓び』と『優れた環境・安全性能』の両立〜

マツダは技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」を2007年に公表し、「マツダ車をご購入いただいたすべてのお客さまに『走る歓び』と『優れた環境・ 安全性能』を提供する」ことを基本ポリシーとしています。

130年前に発明されたクルマは、大量生産システムの進化により、「個人の自由な移動による生活の充実」という価値を提供することで社会に貢献してきました。グローバル視点で見れば、新興国での人口増加などを背景に自動車市場は継続して成長しています。
クルマは人々の生活に無くてはならない存在となっている一方で、環境・安全面などの社会課題も生じています。
国・地域により、エネルギー事情やインフラ環境など、クルマを取り巻く環境の違いを踏まえつつ、マツダは、コーポレートビジョンにあるように「地球や社会と永続的に共存するクルマ」が提供できるよう価値の創造を追求しています。

Zoom-Zoomの木

Zoom-Zoomの木 :
「ONE MAZDA」の企業文化という養分をしっかりと張った根で吸い上げ、幹の両脇に「環境」と「安全」という太い枝を持ち、Zoom-Zoomを体現した梢を持つ「Zoom-Zoomの木」を世の中で成長させ続けることを意味しています。

Interview/環境

小島 岳二

国・地域の最適なCO2削減の解決策を提供

商品戦略本部長 小島 岳二

2015年12月のCOP21※1において、世界150カ国・地域が協力し、地球温暖化対策に取り込むという歴史的な「パリ協定」が採択され、今後、CO2排出源の一つとして自動車業界における環境対応が、ますます重要となってきます。

クルマの動力は現在主流の内燃機関に加え、電気・水素など多様化しています。それぞれCO2排出に関して特性があり、国や地域で利用できるエネルギーも異なります。例えば、電気自動車は走行中にCO2を排出しませんが、火力発電が多くの割合をしめる国や地域においては、発電の段階でCO2が排出されます。ライフサイクル全体で見ると、こうした電源特性を持つ国・地域においてはCO2排出量は必ずしも削減されません。一方、水力発電で多くの電力をまかなうノルウェーなどにおいて電気自動車が普及することはCO2排出の抑制に貢献します。

マツダは商品を通じた地球温暖化対策を進める中で、クルマのライフサイクル全体におけるCO2排出を評価しながらマルチソリューション(複数の解決策)を持つことが重要だと考えています。この考えの下、マツダは「タンク・ツー・ホイール(燃料タンクから車両走行まで)」※2だけを考えるのではなく、「ウェル・ツー・ホイール(燃料採掘から車両走行まで) 」※3という視点を踏まえ研究開発を進めています。

タンク・ツー・ホイール視点では、従来の燃料インフラをそのまま利用できることから世界で最も利用されている内燃機関をさらに深化させるため、SKYACTIV技術のGeneration2モデル開発を進めるとともに、段階的に電気デバイスを導入する「ビルディングブロック戦略」に基づき、電気を動力とした自動車の継続的な研究・開発を含め電動化を進めています。また、ウェル・ツー・タンク視点では、産学官連携による調査・研究などを着実に進めています。

これらを通じて、ご利用いただく国・地域に最適なCO2削減の解決策を提供できるよう、今後も、ウェル・ツー・ホイールの視点で研究・開発を進めていきます。

ウェル・ツー・ホイール概念図※4

ウェル・ツー・ホイール

※1 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議
※2 Tank-to-Wheel、直訳すると「燃料タンクから車輪まで」。本文では「燃料タンクから車両走行まで」という意味で言及。
※3 Well-to-Wheel、直訳すると「油井から車輪まで」。本文では「燃料採掘から車両走行まで」という意味で言及。
※4 化石燃料を採掘して車両走行する場合

Interview/安全

自動運転技術のマツダらしい活用

統合制御システム開発本部 副本部長
吉岡 透

吉岡 透

クルマづくりを通して交通事故低減に貢献するため、「ドライバー・人間を尊重する」とするマツダが目指す安全性能の考え方「Mazda Proactive Safety」に基づき研究開発を進めています。

平常時における運転においては不安・ストレスを軽減できるよう、主要な運転操作機器の配置や操作性向上などによる良好な運転環境と優れた運転視界を提供し、お客さまの安全運転をサポートします。その一方で、常にお客さまの動き・状況を検知し、必要に応じて情報提供や警報など適切なサポートを行います。マツダはi-ACTIVSENSEとしてすでにさまざまな技術を導入し、継続的に進化させています。

さらに、ドライバーは「時として避けられないミスを起こす」「健康状態は常に万全ではない」との前提に基づいた将来技術の可能性をマツダは模索しています。常にドライバーの状態を検知し「お客さまが正しく運転できていない」とクルマ側が判断した場合、「『お客さまを危険にさらさない』『危険を周囲に波及させない』という社会的な責務」としてクルマ側がお客さまの判断に優先して操作します。自動で外部に連絡、他の人や周辺を危険な状態にさせない「最適な場所」にクルマが自動で移動し、周辺の安全を確保。事故の発生を防止するというもので、クルマ側はあくまでもお客さま自身による運転をサポートする位置づけであると考えています。

現在、自動車業界では「自動運転技術」や「ドライバーの状態(安全運転の基本である認知・判断・操作など)を把握する技術」などについてさまざまな研究・開発が進められています。マツダは大学や研究機関、サプライヤーの皆さまと協力・連携し、「走る歓び」と「安全」を両立できるマツダらしい自動運転技術を追求し研究・開発を進め交通事故のさらなる低減に貢献します。

マツダは、安全技術の開発において、「個人の自由な移動による生活の充実」という価値を将来にわたり維持し、「楽しく運転することで心と体が活性化する」というクルマの効用を大切にしています。クルマの運転には一定の技能(スキル)と集中力が必要であり、「運転中は心身が活性化し元気になる」という事例が見られます。

昨今、先進国では「高齢化」が社会課題となりつつあります。ドライバーを適切にサポートできるクルマの研究・開発は、高齢者への安全かつ自由な移動手段の提供のみならず、心身の能力低下を抑制し「老いの予防」という視点でも貢献できる面があるのではないかと考えています。