CSR

マツダブランドを体現する新型デミオ/Mazda2

マツダの革新的なベース技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」と新デザインテーマ「魂動(こどう)~Soul of Motion」を全面的に採用した新世代商品第4弾となるコンパクトカー、新型デミオ/Mazda2を2014年9月から順次グローバルに導入しています。新型デミオ/Mazda2が目指した姿は、「クラス概念を打ち破るコンパクト」。マツダのDNAを凝縮し、クルマの本質を突き詰めることで、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」の両立を実現しています。
同時に、世界中のお客さまにより早くタイムラグなしにお届けするための生産体制の再構築を進め、日本、タイ、メキシコの3拠点でほぼ同時生産開始を実現しました。

デミオ/Mazda2基本情報

クラス概念を打ち破るコンパクトカーを実現

「コンパクトなクルマだから
『それなり』でいい」という妥協は
一切許さない

新型デミオ/Mazda2 開発主査(当時)
土井 歩

土井 歩

デミオ/Mazda2は1996年の初代発表以来、約20年で世界累計250万台以上を販売するなど、今やマツダの基幹車種の一つになっています。初代は「機能的で広々とした室内空間」、2代目は「コンパクトカーとは思えない走行性能」、3代目は「スポーティなスタイリング」と常に新しい価値を提案してきました。そして4代目となる今回の新型デミオ/Mazda2は、マツダの技術とデザインの考え方の全てをこの小さいクルマに凝縮させることを目指しました。

開発にあたってはメンバーが共有する「商品の志」を「クラス概念を打ち破るコンパクトカー」としました。それはすなわち「クルマの価値はサイズに比例する」という既成概念、さらには「コンパクトなクルマだから『それなり』でいい」という妥協を一切許さないということです。

「デザイン・走り・機能性に加え、環境・安全など、あらゆる質を高め、お客さまが心から誇りを持って所有できる新しいコンパクトカーをつくろう。グローバルで多くのお客さまにご愛顧いただいている商品だから、性別、年齢、体型などを問わない、あらゆるニーズを満たした商品にしよう」。その思いを胸に、2012年に発売したCX-5以降の新世代商品群で一貫して培ったクルマづくりの考え方や技術を進化させつつ、コンパクトなボディに全てを凝縮するという難題に挑戦しました。 

環境面での挑戦の一つが、マツダ初となる小排気量クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」の開発でした。一般的にディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比較し燃費がよく、燃料コストに優れることが知られていますが、近年は走りの良さも注目を集めています。マツダはこのようなディーゼルエンジンの特性に着目し「SKYACTIV-D 2.2」を開発。2012年にCX-5で市場導入して以降、その普及に取り組み、新型デミオではコンパクト化を実現することができました。

安全面では、ボディやシャシーにおいてマツダのこだわりである理想的なドライビングポジションやペダル配置、高い衝突安全性能などにおいて一切の妥協を排除。市街地だけでなく、郊外でも、高速道路でも、誰もが楽しく安心して気持ちよく走ることができる、意のままのドライビングパフォーマンスを実現しました。

グローバルに投入している5ドアハッチバックに加え、タイの生産拠点ではセダンタイプも生産し、タイおよびオーストラリアで販売するなど、市場ニーズに対応しています。

新型デミオ/Mazda2がお客さまに提供する価値をまとめると次のようになります。「運転経験の少ない若いお客さまには運転中の不安を和らげ、余裕を感じ運転の楽しさに目覚めていただきたい。より大きなサイズを含めてさまざまなクルマを経験された方には、それらのクルマ同様、安心感と満足感を感じていただきたい。そして、新型デミオ/Mazda2に乗っていただく全てのお客さまに、ワクワクするスタイリングとコンパクトカーとは思えない品質感、高い次元で両立した走りと燃費、そしてどこまでも走りたくなる長距離ドライブ性能によって笑顔と楽しさを提供していきたい」。

さまざまなライフスタイルを持つ世界中のお客さまの人生が、デミオ/Mazda2により、より輝かしいものになるように--私たちはそのような願いを込めて新型デミオ/Mazda2を開発しました。


新型デミオ/Mazda2の主な受賞歴

【日本】

  • ■ 2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤー
  • ■ 2014年度グッドデザイン賞「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」

【ドイツ】

  • ■ ゴールデンステアリングホイール賞(スモールカーカテゴリー)
  • ■ レッド・ドット:プロダクト・デザイン2015「オーナラブル・メンション(Honourable Mention)」

※ その他の受賞歴は「2014年度 社外からの主な評価」をご参照ください。


「タイ国際モーターエキスポ2014」で新型Mazda2(日本名:デミオ)のセダン(タイ生産)を世界初公開(2014年11月)。5ドアハッチバックモデルと共に展示。

「タイ国際モーターエキスポ2014」で新型Mazda2(日本名:デミオ)のセダン(タイ生産)を世界初公開(2014年11月)。5ドアハッチバックモデルと共に展示。

環境・安全性能で新型デミオ/Mazda2が実現した新たな価値

「マツダ車をご購入いただいたすべてのお客さまに『走る歓び』と『優れた環境・安全性能』を提供する」ことを基本ポリシーとする技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に基づき、取り組みを進めています。これまでの設計思想を継承しながら、革新的なベース技術であるSKYACTIV技術をコンパクトカー向けに新開発しました。

【環境面】 
世界中のお客さまに手の届きやすい価格で環境性能を提供

マツダは、「2020年時点でもグローバル市場における自動車の主要なエネルギーは石油であり動力技術は内燃機関が主流」という予測の下、エンジンの熱効率改善や車両の軽量化などのベース技術を優先的に改善し、さらに段階的に電気デバイスを導入する「ビルディングブロック戦略」を採用しています。これは、一部の環境対応車に大きく依存することなく、特別なインフラ整備のない新興国を含む世界中のお客さまにも手の届きやすい価格で環境性能に優れたクルマを提供することで、グローバルで効果的にCO2の総排出量を削減するアプローチです。
新型デミオ/Mazda2は、2012年に発売したCX-5などに搭載している排気量2.2Lのクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」のコンパクト化を実現した「SKYACTIV-D 1.5」を搭載。高効率トランスミッションや電気デバイス(アイドリングストップシステム、減速エネルギー回生システム)と組み合わせることで、国内では乗用車トップレベル(軽自動車、ハイブリッド車を除く)の低燃費を実現しました。
貴金属を利用する高価なNOx後処理装置なしで国内の「平成21年排出ガス規制」をクリアする高い環境性能を実現しながら、2.5Lガソリンエンジン並みの力強い走りを実現しています。

新型デミオ/Mazda2搭載「SKYACTIV-D 1.5」

新型デミオ/Mazda2搭載「SKYACTIV-D 1.5」

【安全面】 
お客さまの安心・安全な運転をサポートするための安全性能を追求

マツダが目指す安全性能の考え方「Mazda Proactive Safety(マツダプロアクティブセーフティ)」に基づき、高い安全性能を追求しました。
良好な運転環境と優れた操縦安定性でお客さまの安全運転をサポートすることにより、不安・ストレスを取り除き、集中して運転をしていただける状態を最大化できるよう工夫。新型デミオ/Mazda2では正しい姿勢で安全かつ快適に運転できるよう、シートやペダルの位置、機器類の配置などを徹底的に見直しました。また、マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を全面的に採用。ミリ波レーダーやカメラなどの検知デバイスを用いて、事故が避けられない状況での衝突回避・被害軽減を図るとともに、認知支援を行いドライバーの安全運転をサポートしています。さらに、「もしも」の場合は、車の安全機能によってドライバーや乗員を守り事故被害を軽減できるよう、キャビンの変形を抑制する高剛性・安全ボディSKYACTIV-BODYを採用しています。

i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)

「i-ACTIVSENSE」はマツダが目指す安全性能の考え方「Mazda Proactive Safety(マツダプロアクティブセーフティ)」に基づき開発した先進安全技術の総称。認知支援を行いドライバーの安全運転をサポートするアクティブセーフティ技術に加え、事故が避けられない状況での衝突回避・被害軽減を図るプリクラッシュセーフティ技術で構成(搭載技術は、国・市場・モデルなどにより異なります)。

i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)

名称 作動シーン 内容
【LDWS】車線逸脱警報システム 走行時(前進) 車線変更の操作なく車線を越えそうと判断すると警告音(またはステアリング振動)・表示で知らせる
【SCBS】スマート・シティ・ブレーキ・サポート 走行時(前進) 前方の車両と衝突の危険性がある場合、自動ブレーキにより減速し被害を軽減する
【HBC】ハイ・ビーム・コントロール 夜間走行時 対向車や先行車を検知しヘッドランプのハイビーム・ロービームを自動で切り替える
AT誤発進抑制制御 徐行時(前進)、発進時(前進) 前方に車両や障害物があり必要以上にアクセルを踏み込んだ場合、警告音・表示でドライバーに注意を促し、エンジン出力を抑える
【BSM】ブラインド・スポット・モニタリング 走行時(車線変更) 隣車線上の後方から接近する車両の存在を表示で知らせ、方向指示器を操作すると警告音・表示で知らせる
【RCTA】リア・クロス・トラフィック・アラート 後退時 バックで出庫する際に左右から接近する車両を検知し警告音・表示で知らせる

開発者インタビュー

安全性能を徹底的に追求し
お客さまに人生の輝きを提供

車両開発本部主幹(当時)
竹内 都美子

車両開発本部主幹(当時)竹内 都美子

「コンパクトカーなのに、ここまですごい!」を目指して

性能・実験領域の統括担当である私の役割は、担当領域における新型デミオ/Mazda2の目指す姿や開発の進め方を関係者に浸透させること。なかでも私が強く訴えたのは、「コンパクトカーならではの良さは生かしつつ、『コンパクトカーだから、この程度でいい』ではなく、『コンパクトカーなのに、ここまですごい!』という、期待を上回るクルマをつくろう」ということでした。

目に見えない骨格・構造だからこそつくり込む

そのためにこだわったのが、「最高レベルの衝突安全性」「人間中心のパッケージ」「運動性能の追求」の3つです。その根底には、小さいクルマながらデミオが発揮できる安全性能をお客さまに確実に届けたいという気持ちがありました。装備は見て選ぶことができますが、車両の骨格・構造は目に見えないものです。だからこそ、そこをしっかりつくり込むことがメーカーの責任であると考えたのです。剛性と軽量性との両立を目指し、骨の一本一本から5cmほどの小さな部材まで、その機能、材質、厚みを細かく見直すとともに、コンピューター上で衝突シミュレーションを何度も繰り返し、構造・工法・部材の「全体最適解」を探り当てていきました。

性別や体格にかかわらず全てのお客さまに安心・快適を提供

他の車種より比較的割合が高いと思われる、女性のお客さまが感じがちな運転時の不安を払拭するため、ペダルの位置・重さにもこだわりました。アクセルとブレーキペダルは自然に足を伸ばした位置にくるよう、従来より約2cm外側に配置。アクセルペダルに足を置いた時の重みに応えてじわりと動き出すように設計しました。クルマの動き出しに対する不安を和らげ、「自分が操って動かしている」と感じられるパッケージ、運動性能を徹底的に追求しました。
体格の異なるお客さまに、等しく良さを感じていただく工夫もしました。その一つがフロントシートです。小柄な方は膝裏がシートの前縁に圧迫され自然なペダル操作がしづらい傾向があるとわかり、シートを短くすることを提案しました。ただ、そうすると大柄な方にとっては膝裏のサポート性が弱くなってしまうため、小柄な方と大柄な方、双方が快適に利用できるシートの長さを試行錯誤しました。その結果、解決策としてたどり着いたのはシートの「長さの調節」ではなく「背もたれの改良」でした。背もたれの広い面積に体圧を分散できるフィット性のあるウレタン素材を採用。体に沿ってシートが沈むように工夫を凝らすことにより、身長150cm位から190cm位の方までが快適に座ることができるシートの開発に成功しました。

「モノづくり」から一歩進めて「コトづくり」へ

「モノづくり」の究極の姿は、「コトづくり」だと私は考えています。私たちがお客さまに届けたいのは単なる「モノ」ではなく、お客さまがクルマによって出会う新しい景色であり、幸せな時間なのです。開発部門においてはさまざまな提案があり、選択を迫られるシーンの連続ですが、その際、この提案は「どのような技術、性能か」でなく、「どのような価値をお客さまに提供できるか」ということを判断基準にしています。発売後、お客さまから「疲れにくいので、つい遠くまで行ってしまった」「運転が上手になった気がする」など、うれしいお声をいただいています。このようなお声をやりがいに、今後も、「本当にお客さまに届けたい価値は何なのか、そのためにどう貢献できるのか」と自分に、また開発関係者に語りかけ、さらなるブレークスルーへとつなげていきたいと思います。