CSR

イノベーション 1

マツダは、バリューチェーンのあらゆるプロセスを通じて、社会課題の解決につながるイノベーション(革新)を目指しています。新世代の商品技術開発、「モノ造り革新」のための生産技術開発などについて、ビジネスパートナー、大学・研究機関、行政機関などと共に、最大限の効果を発揮し革新的な取り組みができるよう、連携を強化しています。

マツダブランドを追求するイノベーション

マツダはステークホルダーの皆さまの期待を超える革新的なクルマをつくることを目的に、全社一体となってクルマづくりをゼロから見直す取り組みを進めています。2015年度はこれらの取り組みに対して国内外で高い評価を得ています。

「SKYACTIV技術」によるベース技術の革新

技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」のもと、「マツダ車をご購入いただいたすべてのお客さまに『走る歓び』と『優れた環境・ 安全性能』を提供する」ことを基本ポリシーとしています。その実現のため、世界一の機能を最も効率的につくることを目的として、研究・開発に取り組んでいます。2011年以降順次市場導入しているSKYACTIV技術※1は、基本性能となるエンジンやトランスミッションなどのパワートレインの効率改善や車両の軽量化、空力特性などのベース技術の徹底的な改善を行っています。SKYACTIV技術の開発においては社内の部門間の連携、社外のサプライヤーや大学・研究機関との連携強化が重視されました。


SKYACTIV技術での革新事例※2

新世代のガソリンエンジン(SKYACTIV-G):
量産エンジンとして世界一の高圧縮比「14.0」を実現。燃費・トルクともに従来比約15%向上。

新世代のディーゼルエンジン(SKYACTIV-D):
量産エンジンとして世界一の低圧縮比「14.0」を実現。燃費を従来比約20%向上。


※1 エンジン・トランスミッション・ボディ・シャシーなどのベース技術の総称。
※2 2012年11月マツダ調べ。圧縮比の数値、燃費・トルク改善率は仕様等により変わることがあります。

「モノ造り革新」によるクルマづくりのプロセス革新

多様化するお客さまのニーズに対応し、「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」を体現した魅力あるクルマづくりと同時に、開発・生産効率改善によるビジネス効率の大幅な改善に向けて取り組んでいます。
「商品競争力を高める多様性」と「量産効率を高める共通性」を高次元で両立させることを目的として、クルマづくりのプロセスをゼロから見直す取り組み「モノ造り革新」を採用しグローバルで推進しています。「モノ造り革新」では開発・生産・購買部門・サプライヤーが連携し、5年から10年のスパンで未来を見据え、将来導入する車種を車格やセグメントを超えて一括企画します。この取り組みの結果、台数規模の異なる複数のモデルの生産や、生産台数の変動へのフレキシブルな対応、品質・ブランド力・利益率向上を実現しています。

「モノ造り革新」の事例
(SKYACTIVエンジンの生産ライン)

「モノ造り革新」の事例 (SKYACTIVエンジンの生産ライン)

 

マツダデジタルイノベーション(MDI)

最新のIT技術の活用により業務プロセスの変革を行う、マツダデジタルイノベーション(MDI)を進めています。1996年に開始したMDI フェーズ1(1996年~2008年)は、CAD/CAM技術を活用した商品開発・生産プロセスの革新を進め、SKYACTIV技術を搭載した新世代商品群の効率的な開発・生産に貢献しました。2016年4月、IT技術の進化やお客さまニーズの多様化をふまえMDIフェーズ2を開始しました。従来のモノづくり領域への適用から、販売・サービス・購買・物流領域などバリューチェーン全体の中長期的な経営課題解決のための取り組みを進めています。


TOPICS

新発想の制御技術により、意のままの走りと安心・安全を追求

マツダはエンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーなどのSKYACTIV技術の個々のユニットを統合的に制御することで、マツダの提供価値の根幹である「人馬一体※3」の走行性能を高める新世代車両運動制御技術「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス(SKYACTIV-VEHICLEDYNAMICS)」を開発しています。第一弾として、G-ベクタリング コントロール(G-Vectoring Control、以下GVC)を開発し、2016年7月に公表しました。GVCはドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、これまで別々に制御されていた横方向と前後方向の加速度(G)を統合的にコントロールし、4輪への接地荷重を最適化してスムーズで効率的な車両挙動を実現する世界初※4の制御技術です。タイヤの接地状態を最適化することで、意図通りにクルマを走らせることができるようになり、無意識のものも含めたハンドルの修正操作が減少します。また長距離運転などでの疲労蓄積が抑制される他、ドライバーや同乗者にかかる加速度(G)の変化がよりスムーズになることで体の揺れが減って乗り心地や快適性を向上。さらには、雨や雪などで滑りやすくなった路面での操縦性と安定性も高まります。

※3 「人とクルマが一体となって最高の走行状況をつくり出し、心まで通じ合うことを目指す」というマツダ独自の走りの哲学。
※4 2016年6月現在 マツダ調べ。



TOPICS

走破性能と燃費効率の高次元での両立を実現した、4WDシステム「i-ACTIV AWD」

雨の高速道路や雪の坂道などのシーンを問わず、安心で快適、そして不要な燃料消費を抑える新世代四輪駆動(4WD)システム「アイ・アクティブエイダブリュディ(i-ACTIV AWD)」を開発しました。i-ACTIV AWDは、ドライバーが気付かないレベルの微小な前輪が滑る予兆をモニターし、前後輪の駆動力配分を積極的にコントロール。タイヤの滑りを極力抑えます。そのために、タイヤの滑る予兆に関係するドライバーの意図と路面状況と走行状況を多くのセンサーで正確に検知し最適な後輪への駆動力配分を瞬時に演算し伝達。前後・左右方向に車輪をスリップさせることなく、安定した発進・加速・旋回・制動を実現するとともに、スリップしにくい乾いた路面ではほぼ二輪駆動(2WD)状態で走行することができ、4WDシステムでは難しいといわれる走破性能と燃費効率の高次元での両立を実現しています。


デザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」

クルマは単なる鉄の塊ではなく、「命あるもの」だとマツダは考えます。
「ドライバーとクルマの関係を、まるで人が愛馬と心を通わせるかのような、感情に基づくものにしたい」「そのためにクルマを、単なる道具ではなく生きているものだけが持つ、豊かな表情や力強い生命感に溢れた存在にしたい」-その理想を形にするため、「クルマに命を与える」という新デザインテーマ「魂動(こどう)」を2010年に発表しました。この「魂動(こどう)デザイン」の哲学は2012年に発売したCX-5以降、順次グローバルに導入された新世代商品に採用され、グローバルで高い評価を得ています。

新デザインテーマ 「魂動ーSOUL of MOTION」

新デザインテーマ
「魂動(こどう)-Soul of Motion」


TOPICS

マツダデザインの進化を示す「Mazda RX-VISION」

「クルマに命を与える「魂動(こどう)」の哲学を、さらに高いレベルの表現へ昇華させる」。そのため、見るものに共鳴や感動をもたらす本質的な美しさや、魂を込めて作られた工芸品のような深みが必要と考え、「CAR as ART(クルマはアート)」という理想を掲げました。美に対する執念を持ち、人の手によってしか生み出すことのできない芸術的なフォルムを探求※5。美しさの表現に磨きをかけ、その一つの到達点として、ロータリースポーツコンセプト「Mazda RX-VISION」を具現化し、2015年秋の東京モーターショーで世界初公開しました。典型的なFR※6スポーツカーならではの動きのある美しいプロポーションと、要素を削ぎ落とすことで生まれる凛とした緊張感と抑制の効いた艶やかさなど、日本の美意識が感じられるフォルムづくりに挑戦しました。マツダデザインの進化を示した「Mazda RX-VISION」のデザインは、グローバルに高い評価※7をいただいています。

※5 デジタルデザイン全盛の現代にあっても、マツダは人間の手で削り出すクレイモデル(工業用粘土によるモデル)を使ったデザイン開発に多くの力を注いでいます。
※6 後輪駆動方式。
※7 社外からの評価。
「Most Beautiful Concept Car of the Year」受賞: 「 Festival Automobile International」が表彰する大賞の一つ。世界中のモータースポーツ、建築、ファッションやデサインの専門家や愛好家が選考委員となり、デザインにおける創造力や新しいトレンドを最も体現している車に贈られる。
「2016 Car Design Award(カー・デザイン・アワード)」(コンセプトカー部門)選出 :1984年に設立された自動車のデザインに関する世界的な賞で、今年19年ぶりに復活した賞。4大陸の自動車専門誌を代表する11名の編集者からなる審査員が、過去1年間に発表されたクルマの中から、量産車、コンセプトカー、ブランドデザインの各部門の受賞車を選出。


グローバル生産体制の構築

国内・海外全ての生産拠点が、自立してマツダブランドの価値を高める高品質で高効率な生産活動を行い、同時に、各生産拠点が相互に学び合うことを追求するため、2013年より「グローバルマニュファクチャリングネットワーク(GMN)」を推進しています。国内生産拠点(本社工場・防府工場)が中心となり、成熟度の異なる海外拠点において、品質面や効率面で同レベルの生産活動ができるよう工程管理や改善を行うスキル(「現場力」)を育成しています。日々の生産活動のみならず、新型車量産準備時に等しく高品質の生産を同時に開始できるようにするためのプログラムを設定しています。

推進にあたっては、中長期的な目標および各拠点の成功事例や課題を共有するため、2014年から年1回グローバル生産会議を開催しています。2016年3月、第3回グローバル生産会議を中国※8で開催しました。また、日常的には海外拠点の現場力向上を支援するため、国内での海外拠点からの研修生受け入れや技能者の海外拠点への派遣などのさまざまな人材交流を積極的に行っています。

グローバルプラントビジョン

グローバルプラントビジョン


第3回グローバル生産会議 参加コメント

  • ■ GMNの活動を通じて、従業員が自身の能力を発揮できる体制ができつつある
  • ■ 海外拠点同士が相互に助け合える環境が整いつつある。
  • ■ 「グローバル共通の評価基準の充実を希望。それにより他の拠点とより相互研鑽ができる」

※8 南京にある車両生産拠点「長安マツダ汽車有限公司(CMA)」で海外拠点初の開催。

グローバル物流体制の構築

海外物流拠点とのグローバル物流体制を構築しています。完成車および部品の納期・コスト・品質の視点で、グローバル最適となる輸送ができるよう、輸送手段ルートなどに関する課題・改善事例の共有などを図っています。マツダグループ全体での連携強化を目的として、年1回グローバル物流会議を開催しています。

グローバル物流会議


TOPICS

【中国】「匠(たくみ)精神」継承 技能伝承道場

長安マツダ汽車有限公司(CMA)では、日本の本社工場を手本として、技能者の人材育成・品質向上を目的とした技能伝承道場を設置しています。この道場は「匠(たくみ)精神」をテーマとし、技能や知見を熟練技能者から学ぶ課程で培われた技能が、デザインや品質に与える影響などモノづくりの理解促進を重視しています。社内技能検定制度を設けることにより、技能者のモチベーション向上につなげています。


VOICE

プレス金型保全教育訓練
道場マスタートレーナー
鲁 宁(ル・ニン)

日本の本社工場金型保全教育訓練研修を終え、2016年3月にマスタートレーナーに任命されました。
本社工場で得た知識・技能を生かして、CMAの道場整備や指導者育成を行い、マツダ車の「魂動(こどう)デザイン」を具現化する、より精緻なプレス金型仕上げの技能を伝承します。